2006 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン構造変換のナノスケール3次元電子顕微鏡解析
Project/Area Number |
18657035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森川 耿右 大阪大学, 蛋白質研究所, 寄附研究部門教授 (80012665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青田 聖恵 (浦 聖恵) 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80289363)
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Keywords | 生体分子 / 転写制御 / 電子顕微鏡 / 可視化 / ナノバイオ |
Research Abstract |
クロマチンの最小単位であるヌクレオソームの形態観察を行うために、ヒトモノヌクレオソームの再構成を行った。ヒト由来コアヒストン4種H2A, H2B, H3,H4をそれぞれ単独に大腸菌で発現、精製し、ヒストンオクタマーを構築した。これとヒト由来α-satellite配列を含むプラスミドより得た146bpDNAと混合後、塩透析法でヒトモノヌクレオソームを再構成し、電子顕微鏡で観察した。試料中のヌクレオソームをカーボン支持膜に吸着させ、2%の酢酸ウラニル溶液で負染色試料を調製した。観察された像は結晶構造と合致するものであった。またカーボン支持膜のglow放電等の前処理やbuffer条件によって、支持膜への試料吸着の割合が大きく変化することが判明した。 次に、ポジショニングが強い電顕観察に適したヌクレオソームの調製を試みた。即ち、ヌクレオソームの位置を固定するのに適したDNA配列601を大量に調製し、これを用いて、テトラヌクレオソームを再構成した。この試料を用いて、前述のプロトコールと同様に電顕で観察した。その結果、4つのヌクレオソームが数珠状に連なった粒子が観察され、ヌクレオソーム間のリンカーDNAの存在も確認できた。テトラヌクレオソームは溶液条件に依存してその形態が大きく変化した。例えば、金属イオンが存在しない場合ヌクレオソームが分離しているのに対して、金属イオン存在下ではヌクレオソームは互いに近接していた。更に、後者の試料については急速凍結し、クライオ電子顕微鏡を用いて観察した。その結果、同様にヌクレオソームが互いに近接して存在するのが観察された。しかし、負染色試料では正方形の各頂点に4つのコアが配置される形態のものが観察されたのに対し、凍結試料ではコアが一列に並んだ像が多く観察された。リモデリング因子FACTについても大腸菌及び昆虫細胞での大量発現、精製、電顕による観察を進めている。
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