2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18657040
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
喜多村 直実 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 教授 (80107424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒田 雅之 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助教授 (10225568)
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Keywords | 脱ユビキチン化酵素 / UBPY / 酵素基質同定 / エンドソーム / タンデム型質量分析 / 蛋白質輸送 / カーゴ蛋白質 |
Research Abstract |
脱ユビキチン化酵素UBPYの機能を阻害した細胞では、多くのユビキチン化蛋白質がエンドソーム上に蓄積する。これらの蛋白質は、UBPYの基質である可能性が高い。そこでこれらの蛋白質の網羅的な同定法の開発を行った。 UBPYの機能阻害細胞におけるユビキチン化蛋白質の蓄積がエンドソーム膜上であること、細胞質画分にはプロテアソームの基質となる可溶性のユビキチン化蛋白質が大量に存在することが予想されることから、膜画分に分画された蛋白質を解析することにした。細胞の膜画分を分画した後、可溶化を行い膜可溶性画分を得た。この画分の蛋白質を、抗ユビキチン化蛋白質抗体FK2をコンジュゲートさせたアフィニティーカラムに結合させた後溶出した。この溶出サンプルをトリプシン処理し、得られたペプチドを液体クロマトグラフ/タンデム型質量分析計により解析した。UBPY機能阻害細胞に特徴的なペプチドが検出された蛋白質が全部で364個であった。 これら364個の蛋白質について、局在と機能をデータベースで調べた結果、蛋白質輸送に関与する蛋白質は全部で42個であった。この中には膜融合に重要な役割を果たす低分子量G蛋白質およびSNARE複合体関連蛋白質がそれぞれ13個、7個含まれていた。またクラスE Vps蛋白質であるHrs,STAM,Alixに加えUBPY自身も含まれていた。さらにオルガネラからオルガネラへと輸送される膜蛋白質(カーゴ蛋白質)と考えられる蛋白質が71個同定された。この中には細胞膜蛋白質であるEGF受容体やトランスフェリン受容体、MHC class Iなどが含まれていた。これらの蛋白質はUBPYの基質である可能性が高いことから、本研究で用いた解析方法は、脱ユビキチン化酵素の基質の網羅的な同定に有効であると考えられる。
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Research Products
(4 results)