2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンの特異的な残基のメチル化修飾がDNAメチル化活性に果たす役割の解析
Project/Area Number |
18657042
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田嶋 正二 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50132931)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末武 勲 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (80304054)
相本 三郎 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (80029967)
|
Keywords | DNAメチル化 / DNAメチルトランスフェラーゼ / ヌクレオソーム / ヒストン / ヒストンメチル化酵素 |
Research Abstract |
遺伝情報の発現には塩基配列の変化を伴わないエピジェネティックな要因が寄与することが知られている。エピジェネティックな要因として、DNA中のシトシン塩基のメチル化修飾、ヒストンのアセチル化とメチル化修飾がある。これらの修飾は、DNAの収納状態、すなわち、クロマチン状態の調節を介して遺伝情報を制御している。ゲノムDNAのメチル化、ヒストンの脱アセチル化とメチル化は密接に連関し、協調的に調節されていると考えられているが、その関係の分子的な基盤は明らかではない。本研究では、特異的な修飾を持つヒストンを調製し、それを用いてヌクレオソームを再構成して、ヒストン修飾とDNAメチル化活性の間に直接的な、あるいは他の分子を介した関係が存在するのか否かを、DNAメチルトランスフェラーゼの再構成ヌクレオソームに対する活性を指標にすることにより明らかにする。 本年度は、ヒストンのうち特にDNAメチル化と関係が強い、ヒストンH3の9番目のLys残基について、組換型ヒストンメチル化酵素(HMT)を用いることによってメチル化し、これを大量に調製することに成功した。また、修飾を受ける、ヒストンのアミノ末端(ヒストン・テール)を欠くヒストンを組換体として調製することに成功した。本研究で確立した、特定の残基を修飾したヒストンを大量に調製する技術は、特異的な残基の修飾がDNAメチル化活性に与える影響を検証することに利するだけでなく、ヒストンの修飾が関与する様々な解析に適用できる応用範囲の広い技術として期待できる。
|