2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18657044
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
多賀谷 光男 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (30179569)
|
Keywords | 小胞体 / アポトーシス / Bap31 / 小胞輸送 / ERAD |
Research Abstract |
タンパク質の中には、細胞周期、外部からの刺激等に応じてその機能を変換させるタンパク質が存在する。小胞体の膜融合に関与するsyntaxin18は複合体として存在し、ZW10、RINT-1、BNIP1などのサブユニットから構成されている。我々は最近、ZW10およびRINT-1と結合する小胞体膜タンパク質としてBap31を見いだした。Bap31はアポトーシスに関与する以外に、小胞体からのタンパク質輸送に関与するという、デュアル機能を有するタンパク質の一種である。本年度はBap31に関して以下のことを明らかにした。 1)Bap31は小胞体の周辺部と核近傍をサイクリングしており、そのサイクリングには微小管およびダイニン-ダイナクチンが関与している。サイクリングの速度は膜内の側方拡散よりも遅いが、小胞体-ゴルジ体間の小胞輸送の速度よりも早い。 2)Bap31は小胞体のクオリティコンパートメントの成分である。小胞体のクオリティコンパートメントとは、プロテアソーム阻害剤を加えた時に形成される核近傍の膜構造であり、ユビキチンープロテアソーム系に基づくER関連分解(ERAD)と密接に関わっている小胞体のサブコンパートメントである。CFTRの変異体であるCFTRΔF508はERADの良い基質として知られているが、プロテアソーム阻害剤を加えるとBap31、ポリユビキチン、CFTRΔF508が核近傍に蓄積したが、さらに前二者は小胞体膜の周辺部でも共局在が見られた。 今後、Bap31の小胞体内循環とアポトーシスの関連について解析を進める予定である。
|