2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規DNA結合モチーフ"TT pocket"を有する機能タンパク質の探索
Project/Area Number |
18657057
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
正井 久雄 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 参事研究員 (40229349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 大輔 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80186618)
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Keywords | 複製フォーク / DNA結合タンパク質 / 高次構造 / ゲノム安定性 / DNA末端 / DNA複製 / チェックポイント制御 / PriAタンパク質 |
Research Abstract |
複製フォークは多様な理由で停止する。停止した複製フォークを回復させ、複製を再開始させるメカニズムは、原核細胞からヒトに至るまで、細胞の安定な維持に必須であり、基本的に保存された機構の存在が予想される。大腸菌PriAタンパク質は、停止した複製フォークを認識して結合する。PriAはN端180アミノ酸の領域にDNA結合ドメインを有し、停止複製フォークの構造を認識する。このDNA結合ドメインのN端側105アミノ酸内にDNA鎖の3'末端(three-prime terminus)を特異的に認識するポケット構造(TT pocket)が存在することを明らかにした。その高次構造をX線結晶構造解析で明らかにし、核酸末端認識の構造的基盤を解明した。それによると、TT pocketは、塩基の配列非依存的にDNAの3'末端を認識する新規の構造モチーフであった。さらに、構造から予想される、核酸認識に重要なアミノ酸残基の置換により、3'末端認識が喪失した。現在さらに全長のPriAタンパク質とフォーク構造との複合体の構造解析を行うために、好熱性細菌ThermotogaのPriAホモログの大量発現、結晶化をすすめている。 真核細胞においては、停止複製フォークを認識するメカニズムは不明であるが、いくつかのタンパク質が遺伝的にその候補タンパク質となっている。これらのタンパクの精製を行いPriAと同様な構造特異的な結合をするかどうか検討している。また、PriAで得られた構造情報に基づき、同様な構造を有すると期待される構造をdata baseから探索することにより、他生物種、とくに真核細胞におけるTT pocketタンパク質の探索を行っている。また、in vitroにおける3'末端特異的な結合を指標に、期待される結合能を有するタンパクの生化学的同定も行っている。
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Research Products
(15 results)