2006 Fiscal Year Annual Research Report
分割GFPの再構成を利用した分子間相互作用可視化プローブの作成
Project/Area Number |
18657058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水野 健作 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70128396)
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Keywords | アクチン細胞骨格 / シグナル伝達 / 蛍光プローブ / FRET / LIMキナーゼ / コフィリン / 蛋白質相互作用 / 蛍光イメージング |
Research Abstract |
細胞内シグナル伝達研究において、シグナル分子間の相互作用や活性状態の時空間的変化を生細胞内で高感度で可視化するイメージング技術の開発が必須である。生細胞内で蛋白質間相互作用を検出する可視化プローブとしてFRETプローブが多く使われているが、検出感度、S/N比が低いという問題点があり、さらに革新的なプローブの開発が期待されている。本研究では、分割したYFPの断片の相補的再会合による蛍光回復(BiFC法,Bimolecular Fluorescence Complementation法)を利用して、蛋白質分子間の相互作用や活性状態を生細胞で可視化するプローブを開発することを目的とした。特に、アクチン脱重合因子であるコフィリンのアクチンとの結合状態、活性化状態(リン酸化状態)の時空的変化を生細胞で可視化できるプローブを開発することを目的とした。分割YFPの断片をアクチンとコフィリンに融合し、結合依存的にYFP断片が相補的に再結合し蛍光を回復する条件を種々検討し、単色でS/N比の高い蛋白質間相互作用検出プローブの作成に成功した。しかし、このプローブの蛍光発色は不可逆的であり、生細胞で蛋白質間の結合・解離の時空間的変化を計測するには不適当であった。YFP断片のアミノ酸配列にランダムに変異を導入することによって、融合蛋白質間の相互作用に依存して可逆的に発光・消光するプローブ(可逆的BiFCプローブ)を大規模スクリーニングし、数種の候補プローブを得た。また、BiFCプローブは蛋白質間相互作用を高感度で検出することが可能であり、シナル伝達経路における分子間相互作用を不可逆的に検出したり、キナーゼ阻害剤の高感度スクリーニング法として利用することが期待できる。私たちは、本法を用いてLIMキナーゼ阻害剤をスクリーニングし、数種の阻害剤を見出した。
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