2007 Fiscal Year Annual Research Report
分割GFPの再構成を利用した分子間相互作用可視化プローブの作成
Project/Area Number |
18657058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水野 健作 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70128396)
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Keywords | アクチン細胞骨格 / シグナル伝達 / 蛍光プローブ / FRET / LIMキナーゼ / コフィリン / 蛋白質相互作用 / 蛍光イメージング |
Research Abstract |
本研究では、分割したYFPの断片の相補的再会合による蛍光回復(BiFC法,Bimolecular Fluorescence Complementation法)を利用して、蛋白質分子間の相互作用や活性状態を生細胞で可視化するプローブを開発することを目的とした。アクチン脱重合因子であるコフィリンとアクチンとの結合状態、活性化状態(リン酸化状態)を可視化できるプローブを開発するため、分割YFPの断片をアクチンとコフィリンに融合し、結合依存的にYFP断片が相補的に再結合し蛍光を回復する組合わせをスクリーニングし、単色でS/N比の高い蛋白質間相互作用検出プローブの作成に成功した。しかし、このプローブの蛍光発色は不可逆的であり、生細胞で蛋白質間の結合・解離の時空間的変化を計測するには不適当であった。そこで、私たちは、本法を用いてLIMキナーゼ阻害剤をスクリーニングすることとした。LIMキナーゼ存在下では、コフィリンがリン酸化されアクチン結合能を失うため蛍光発色しないが、阻害剤があればLIMキナーゼの活性が失われ、蛍光発色することとなる。本法により、約1000種の低分子化合物から、2種の阻害剤を見出した。さらにそれらをリード化合物として新たに類似化合物を合成し、LIMキナーゼに特異性の高い阻害剤を探索し、数種の新たな阻害剤を同定した。これらの阻害剤の細胞運動、癌細胞浸潤に対する効果を測定し、有効な結果を得た。また、BiFCプローブは蛋白質間相互作用を高感度で検出することが可能であり、RasとRafなどシグナル伝達経路における分子間相互作用を高感度に検出することができ、RasとRafの結合阻害剤のスクリーニング系を開発した。
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Research Products
(12 results)