2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18657066
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田村 宏治 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70261550)
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Keywords | 爬虫類 / 指 / 形態形成 / 遺伝子発現 / 比較発生学 / 繁殖 / 鳥類 / ヤモリ |
Research Abstract |
爬虫類の発生モデルシステム化を目指して、マダガスカル産ソメワケササクレヤモリの繁殖・飼育システムの確立を行った。現在、1ペアから270個体を超える成体の獲得に成功し、500個を超える卵を得ている。胚の発生段階を詳細に追い、顕微鏡観察および軟骨硬骨染色による骨格標本作製を行い、骨格を中心に発生段階表を作成している(論文投稿準備中)。さらに、軟骨分化・指形成・パターン形成に関わるいくつかの遺伝子の部分配列を単離し、その発現パターン解析を行った。ニワトリを用いて軟骨分化に関わる遺伝子の機能解析を行った(Kobayashi et al.,2007)ので、さらに爬虫類における発現解析を行って比較し、これらをまとめた論文を準備している。 一方で、指を含む自脚領域の発生過程を、細胞系譜と遺伝子発現の観点から解析し、論文を作成した(Sato et a1.,2007)。ここで興味深いのは、指を形成する細胞が、他の領域を形成する細胞と、移動を介しながらミキシングを行っていることである。さらに、自脚領域内でも同様の細胞の移動による再編成が起こっている可能性があり、詳細を調べた(論文投稿準備中)。また、最前端の指に特徴的に発現するいくつかの遺伝子をソメワケササクレヤモリから単離しその発現を調べたところ、ニワトリの再前指と同様の発生メカニズムをヤモリの第1指が共有している可能性が見出された。
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