2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18657067
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬場 忠 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 教授 (40165056)
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Keywords | 転写抑制 / 生殖細胞 / 癌化 / 転写脱抑制 / マウス |
Research Abstract |
体細胞での精巣特異的遺伝子転写の抑制破綻と癌化の解明を最終目的として、精巣特異的遺伝子の転写抑制に関与するシス因子(TRSE)の同定と精巣特異的遺伝子の転写抑制に関与するトランス因子(TRSF)の同定に関する研究を行い、次のような成果を得た。 まず、CT(癌・精巣)抗原として知られているsp32とAdam2遺伝子に関して、各種培養細胞での発現を調べ、ES、P19、およびNIH3T3細胞で発現していないことを確認した。次に、sp32遺伝子は転写開始点から約5.5キロ、Adam2遺伝子では約3キロ塩基対上流の5'制御領域をさまざまな長さで分断し、下流にルシフェラーゼ遺伝子を連結したレポーターコンストラクトをNIH3T3細胞に導入した。ルシフェラーゼレポーターアッセイによってそれぞれの発現量を調べてみると、Adam2ではいずれのコンストラクトで転写活性に有意な差が見いだせなかったが、sp32では転写開始点から-4051〜-2109塩基の領域を含む領域中に抑制エレメントが含まれていることが判明した。さらに検討を加え、約160塩基対の領域まで絞り込むことができた。この領域を用いて、ゲルシフト分析を行い、そのDNA領域に結合するトランス因子の存在も確認することができた。おそらく、このタンパク質因子がリプレッサーとして機能し、精巣以外の細胞でsp32の転写抑制に関与していることが示唆された。現在、TRSEとTRSFの同定と機能解析を行っている。
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