2006 Fiscal Year Annual Research Report
発生時期および領域特異的なノックイン・ノックダウン技術の開発と形態形成研究
Project/Area Number |
18657068
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹島 一仁 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (20126874)
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Keywords | エレクトロポレーション / 遺伝子導入 / ノックダウン / アフリカツメガエル / 体軸形成 / 神経組織形成 |
Research Abstract |
アフリカツメガエル神経板期胚の予定眼領域へmRNAを高効率導入する方法としで非接触エレクトロポレーション法を開発し中枢神経組織や感覚組織の形成機構を解析して来た。本研究では、実験対象とする胚の時期をより若い発生段階に設定し、安定した導入技術の開発を目指している。また、対象遺伝子の機能解析(ノックダウン、ノックイン)を目指した改変遺伝子、薬剤の検討を行っている。 1.細胞に対する電気刺激障害を緩和するために、胚を包むビテリン膜と胚本体との間隙に導入遺伝子溶液等を微注入した後に、エレクトロポレーションする方法を考案した。これにより、今まで導入が困難であった初期胚(胞胚後期以降)の様々な領域への遺伝子導入が可能になった。 2.上記方法によって胚の最上層一層の細胞群に限定した遺伝子導入が可能になった。 3. GFPなど蛍光タンパク質をコードする遺伝子をモデル系として最初に用いた。GFPタンパクの発現はエレクトロポレーション後2-3時間で検出可能で、初期原腸胚の原口部分360度につき脊腹軸、左右軸に関わる細胞運動を検討した。特に原腸陥入について頭部中軸中胚葉に至る細胞運動の追跡が可能になった。また腹側原口部分が総排泄口から尾部への分化運命を持つことも再確認できた。 4.原腸陥入、収飲伸長細胞運動に関わる遺伝子群、シグナルカスケード検討のために、BMPとそのアンタゴニスト遺伝子の導入により、両者の発現バランスによる陥入運動の重要性が判明した。また、BMP4をオーガナイザー領域で異所発現させると頭部中枢神経系の形成が阻害された。 5.改変遺伝子による後方神経形成の乱れが機能欠失型FGF受容体遺伝子の導入により確認された。また、レチノイン酸受容体遺伝子の昂進型改変体を導入することによりセメント腺の形成異常を観察することができた。
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