2006 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾンを用いたニワトリ胚細胞の半永久的遺伝子操作
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18657070
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高橋 淑子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10183857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 大介 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90403360)
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Keywords | トランスポゾン / ゲノム / エレクトロポレーション法 / 発現誘導 / テトラサイクリン |
Research Abstract |
発生中の個体内で、ある時期の、ある限定された組織でのみ遺伝子操作を行うという方法論は、細胞分化、組織形成、そして器官の成り立ちの分子機構を探る上で極めて有効である。20世紀末、胚操作が容易なトリ胚内に外来遺伝子を導入すべく、エレクトロポレーション法が開発された。この方法を用いることによって、さまざまな遺伝子DNAを時期組織特異的に発現させることが可能となり、発生機構の理解が飛躍的に進歩した。しかしながら、従来の方法論では、導入したDNA plasmidはゲノムに組み込まれることはなく、導入後2-3日で消失するという大きな問題があった。そこで本研究では、他の系で用いられているトランスポゾンを利用し、エレクトロポレーション法で導入するplasmidをトリゲノムに安定的に組み込むという方法論を確立することを目的とした。ゼブラフィッシュで効率よく働くTb12-トランスポゾン配列をEG増FP遺伝子の両端に連結させ、トランスポゼースと共にトリ胚に導入した(Tol2-トランスポゾンは遺伝学研究所の川上浩一博士より供与)。結果、遺伝子導入後6日経過した時点でも、EGFPは安定に発現し続けていた。導入遺伝子が実際にゲノム内に安定に組み込まれることは、培養細胞を用いた導入実験とその後のゲノミックサザンプロッティングにより明らかになった。本研究で確立された方法論を用いることによって、これまで解析が困難であった、比較的後期の器官形成を制御する分子メカニズムに迫ることができる。
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Research Products
(9 results)