2007 Fiscal Year Annual Research Report
非筋ミオシンによる左右非対称性形成機構の旧口動物における普遍性の検証
Project/Area Number |
18657071
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松野 健治 Tokyo University of Science, 基礎工学部, 教授 (60318227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 礼男 東京理科大学, 基礎工学部, 助教 (40453831)
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Keywords | 左右非対称性 / モノアラガイ / ミオシンI / アクチン / 細胞骨格 / 細胞極性 / RNA干渉法 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
外部形態が左右対称な動物においても、その内臓器官には、左右非対称性が観察されることが多い。これまでに得られた左右性に関する分子レベルの知見は、脊椎動物に限定されており、その他の多くの動物門には適用できない。我々は、ショウジョウバエの左右非対称性が、非定型ミオシンIであるMyosinID(MyoID)と、アクチン細胞骨格に依存して形成されることを明らかにした。この左右非対称性の形成機構は、旧口動物で普遍的であると予測している。そこで、本研究では、有肺類巻貝であるヨーロッパ・モノアラガイの左右逆転突然変異体において、MyoID遺伝子に突然変異が起こっている可能性を調べ、この仮説を検証することを目的とする。 ヨーロッパ・モノアラガイでは、野生型が右巻きである。これに対して、左巻きの突然変異系統が得られており、研究代表者は、この突然変異の責任遺伝子がMyoID遺伝子であると予測した。平成18年度の研究で、モノアラガイのMyoIDの相同遺伝子に対応するcDNAの一部をクローン化することに成功している。平成19年度の研究では、このcDNAの塩基配列をもとに、RACE法を用いてほぼ全長のcDNAを得た。この塩基配列に対応するヨーロッパ・モノアラガイのゲノムの塩基配列を、野生型と左巻き突然変異系統で比較しところ、塩基配列の多型が認められた。しかし、現在のところ、この多型が左巻き突然変異の原因であるかどうかは不明である。また、MyoIDのcDNAと相補的な二重鎖RNAを、ヨーロッパ・モノアラガイ成体の体腔に注入することで、MyoIDに対するRNA干渉を行った。この方法によって、卵形成過程におけるMyoIDの機能をノックダウンできると考えた。しかし、現在のところ、この二重鎖RNAを注入した個体より得られた胚の左右性の異常は観察されていない。
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Research Products
(6 results)