2006 Fiscal Year Annual Research Report
有尾両生類エゾサンショウウオにおける性染色体の特定と温度依存的性腺分化機構の解明
Project/Area Number |
18657074
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 洋一 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 教授 (70165835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若原 正己 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (00001868)
村上 貴弘 愛媛女子短期大学, 短期大学部, 講師 (40374706)
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Keywords | 有尾両生類 / 温度依存的性決定 / 性染色体 / 染色体マッピング / 分子マーカー |
Research Abstract |
エゾサンショウウオ(Hynobius retardatus)の性染色体を同定する目的で、有尾両生類の細胞培養法と染色体標本の作製法の改良を行った。その結果、有尾両生類でも良好な染色体標本を作製することが可能となった。ギムザ染色による核型解析によって、エゾサンショウウオでは、次端部型の14番染色体の形態が雄では同型対、雌では異型対であること、C-分染核型の解析によって、異型対の雌特異的染色体の短腕にヘテロクロマチン化が生じていることが観察された。以上の結果から、この雌特異的な異型染色体がW染色体に相当し、エゾサンショウウオは分化した雌ヘテロ型雄ホモ型(ZZ/ZW型)の性染色体をもつことが示唆された。我々の先行研究でツチガエル(Rana rugosa)のZ染色体に連鎖することが判明しているSOX-とSF-1/Ad4BP遺伝子をRTPCR法を用いてエゾサンショウウオからクローニングし、FISH法によって染色体マッピングを行った。その結果、これらの遺伝子は常染色体にマッピングされたことから、エゾサンショウウオの性染色体連鎖群は無尾類とは異なり、性決定遺伝子も異なることを明らかにした。18年度の4月と5月にエゾサンショウウオの卵を野外で採集し、対照群の20℃と温度依存的に雌への性転換が起こる28℃の飼育下で、艀化後10,15,20,30日の幼体から性腺組織のサンプリングを行い、性腺の分化に伴う性分化関連遺伝子群の発現様式を調べるための準備を行った。
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