2007 Fiscal Year Annual Research Report
有尾両生類エゾサンショウウオにおける性染色体の特定と温度依存的性腺分化機構の解明
Project/Area Number |
18657074
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 洋一 Hokkaido University, 創成科学共同研究機構, 教授 (70165835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若原 正己 天使大学, 看護栄養学部, 講師 (00001868)
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Keywords | 有尾両生類 / 温度依存的性決定 / 性染色体 / 染色体マッビング / 分子マーカー / 性分化関連遺会子 / RAPD法 / 性腺分化 |
Research Abstract |
今年度は、エゾサンショウウオ(Hynobius retardatus)が雌ヘテロ型(ZZ/ZW型)の性染色体構成をもつことが前年度の研究で判明したことから、性腺未分化時の幼生個体の遺伝的な雌雄を識別する分子マーカーを開発する目的で、W染色体ヘテロクロマチン領域の反復配列のクローニングを試みた。その結果、11種類の部位特異的な反復配列が得られたが、W染色体特異的な配列は得られなかった。次に、RAPD法によるスクリーニングを行った結果、雌特異的なDNAバンドを数種類検出することができた。現在、これらの雌特異的ゲノムDNA断片のクローニングを試みている。エゾサンショウウオの性腺分化過程における性分化関連遺伝子群の発現プロファイルの解析を行う目的で、ツチガエルの性染色体に連鎖するAR遺伝子のホモログを新たにクローニングした。そして、これまでにクローニングを終了した性分化関連遺伝子(P450aromatase,DMRT1,SF-1,SOX3,SOX9)のホモログのうち、DMRT1遺伝子の発現をRT-PCR法を用いて調べた結果、孵化後15-30日に28℃の高温処理を行うことによって遺伝的な雄個体の性腺が雌に分化することがわかった。この結果は、P450aromatase遺伝子の発現解析の結果を支持するものであった。さらに、前年に引き続き、エゾサンショウウオの卵を野外で採集し、20℃(対照群)と28℃(高温処理群)の条件下で飼育した、孵化後0,10,15,20,25,30,45,60日の幼生から性腺組織をサンプリングし、凍結保存を行った。
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