2006 Fiscal Year Annual Research Report
人類学的特徴を加味した新しい復顔法に関する予察的研究
Project/Area Number |
18657078
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井上 貴央 鳥取大学, 医学部, 教授 (20116312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川久保 善智 佐賀大学, 医学部, 助手 (80379619)
小川 敏英 鳥取大学, 医学部, 教授 (00125709)
井上 仁 鳥取大学, 総合メディア基盤センター, 助教授 (00176439)
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Keywords | 復顔 / 頭蓋骨 / CT画像 / コンピュータ計測 / 古人骨 |
Research Abstract |
マルチスライスCT撮影装置を利用して撮影されたCT画像をもとに、人類学的な骨形態計測点の解析を行った。実際の頭蓋骨は三次元的な構造を持っているため、計測点の把握は容易であるが、実際のCT画像では、これまで用いられてきている人類学的な計測点の設定は極めて困難であった。そのほかの要因として、小さな頭蓋縫合はCT画像として極めてとらえにくいことがあげられた。このため、これまで人類学で用いられてきた計測点をそのまま利用することは実質的には困難で、新たな計測点の設定も難しいことが分かった。そこで、実際の頭蓋骨をデジタルカメラで撮影し、三次元画像を作製してそこから復顔を行う方法を検討することにした。資料としては、岡山県から出土したほぼ完形の弥生時代の頭蓋骨を用い、様々な方向から撮影したデジタル映像をもとに、コンピュータ上で三次元画像合成ソフトを用いてどれぐらい精度の良いバーチャル三次元頭蓋骨が完成するのかを検討した。その結果、頭蓋底などの形状は実物を正しく反映されないという点や眼窩や鼻腔などの奥行きのある構造物は正しく奥行きが反映されないという問題点はあったものの、頭蓋全体や復顔に必要な顔面頭蓋の形状については、合成時のパラメーターを調整することによって、ほぼ満足すべきバーチャル立体画像を得ることができることが明らかになった。この結果は、CTを用いなくても、頭蓋骨をデジタルカメラで撮影することによってコンピュータ復顔ができることを示唆するものであり、今後のコンピュータによる古人骨の復顔の基礎を築くことができた。
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