2006 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体及びミトコンドリアの遺伝子組換え植物作出の試み
Project/Area Number |
18658003
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
寺地 徹 京都産業大学, 工学部, 教授 (90202192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 博 京都産業大学, 工学部, 教授 (10210345)
黒坂 光 京都産業大学, 工学部, 教授 (90186536)
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Keywords | 葉緑体 / ミトコンドリア / 遺伝子組換え / オルガネラ / 活性酸素 / ヒルジン / フィトキレーチン / タバコ |
Research Abstract |
本研究の大きな目的は、オルガネラの遺伝子組換えにより有用植物を作出することにある。そのため葉緑体の遺伝子組換えでは、1)葉緑体ゲノムの遺伝子構成を改変し植物自体の能力を向上させる、2)葉緑体内で有用タンパク質を大量かつ安価に生産するシステムを構築する、3)環境浄化に利用可能な植物の作出を試みる、という3つのカテゴリーの実験を行っている。具体的に1)では、葉緑体内で働く活性酸素除去系酵素の遺伝子、apx, dhar, mdar及びgrを、単独もしくはオペロンとして葉緑体ゲノムに導入し、これらの遺伝子を強発現させることで植物のストレス耐性を高めることをめざしており、今年度はapx, mdar及びgrをそれぞれ葉緑体に持つ遺伝子組換え植物(タバコ)を実際に得ることができた。現在これら植物の自殖後代を育成しており、次年度に表現型の評価を行う予定である。また次年度も、まだ得られていない組換え体を得る努力を継続する。2)では、以前作出した血液凝固阻害タンパク質(ヒルジン)の遺伝子を葉緑体に持っタバコを用い、この植物の後代について特徴付けを行った。今後、遺伝子産物の生物活性を測定したい。また3)では、汚染土壌からの重金属などの除去をねらい、フィトキレーチン合成に関連する酵素遺伝子の葉緑体への導入を試みている。今年度はgsh1遺伝子の組換え体候補を1個体得た。次年度、この組換え体の確認と特徴付けを行うとともに、結果に応じて導入コンストラクトの再検討を行う。 なおミトコンドリアの遺伝子組換えについては、1)タバコミトコンドリアのプロモーター(rrn26,atp9)及びターミネーター(atp1,rp116)のクローニング、2)プロモーターとターミネーターの連結とその間への選択マーカー(nptII)のクローニング、3)2)のコンストラクトの大腸菌内での発現の検討を行い、次年度の実験に備えた。
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