2008 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体及びミトコンドリアの遺伝子組換え植物作出の試み
Project/Area Number |
18658003
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
寺地 徹 Kyoto Sangyo University, 工学部, 教授 (90202192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 博 京都産業大学, 工学部, 教授 (10210345)
黒坂 光 京都産業大学, 工学部, 教授 (90186536)
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Keywords | 葉緑体 / 遺伝子組換え / ストレス耐性 / アスコルベート-グルタチオン回路 / apx / mdar / dhar / ミトコンドリア |
Research Abstract |
本研究は、オルガネラの遺伝子組換えにより有用植物を作出することを目的としている。そのため、実験のモデル植物であるタバコを用い、葉緑体及びミトコンドリアの遺伝子組換えに関する基礎的実験を行なってきた。総じて、タバコでは、葉緑体の遺伝子組換えを確実に行えるようになった。一方、ミトコンドリアの遺伝子組換えは、研究期間内に達成できなかった。具体的に、葉緑体の遺伝子組換えでは、葉緑体における活性酸素消去の主要な経路である、アスコルベート-グルタチオン回路を構成する5種類の酵素のうち、SODを除く4種類の酵素遺伝子(apx、dhar、mdar及びgr)をそれぞれタバコの葉緑体ゲノムに導入することに成功した。またこれらの遺伝子をapx-dhar,mdar-dhar及びapx-sodの各オペロンとして葉緑体ゲノムへ導入することにも成功した。これらの組換え体は世代更新を重ねており、一部を除きメチルビオロゲンや強光などへの耐性を調査し終えている。その結果、これらの遺伝子を葉緑体ゲノムへ導入し強発現させる手法は、ストレス耐性植物の育成に大変有効であるとの結論を得た。一方、今年度初めて、光合成の暗反応(カルビン回路)を構成する酵素のひとつ(SBPase)を葉緑体ゲノムに持つタバコを作成することができた。カルビン回路の律速として知られるSBPaseの強発現では、植物の生育が劇的に向上することが期待されたが、実験の結果、組換え体には初期生育の遅延が観察され、生育は向上しなかった。しかしこの組換え体は、最終的に野生型と同じ程度にまで生育し、枯死するまでの寿命が野生型より長いという、興味ある性質を示した。今後、この組換え体の高CO2濃度下における反応を調査する必要がある。
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Research Products
(6 results)