2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18658006
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
津田 誠 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30144231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 晋一 近畿大学, 農学部, 教授 (50109047)
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Keywords | 塩水灌漑 / 逆浸透膜 / イオン交換樹脂 / 作物栽培 / 農業用水 / 水資源 |
Research Abstract |
地球上には大量の水が存在するが利用可能な淡水資源は限られている.農業用水は使用される淡水の70%も占め,確保が困難なってきた.この問題を解決するために,多量に存在する海水などの塩水を作物の根域に灌漑する方法を検討することを目的とした. 根域に逆浸透膜およびイオン交換樹脂による除塩法をあてはめ,塩水灌漑でコムギオオムギを栽培した,その結果,淡水灌漑条件で作物の乾物生産はイオン交換樹脂を用いても,除塩処理しない栽培条件と変わらなかったが,逆浸透膜を用いると著しく低下した.塩水灌漑条件下では乾物生産は淡水灌漑に比べて著しく低下したが,二つの除塩処理によって低下程度が同程度軽減された.植物体のナトリウム濃度は除塩しない作物とイオン交換樹脂の作物で同じくらいに高くなったが,逆浸透膜の作物では低いままであった。土壌のナトリウム濃度は除塩なしとイオン交換樹脂で高くなっていたが,逆浸透膜ではほとんどみられなかった.土壌の体積水分率は逆浸透膜で作物の成長が阻害されるほど低かったが,他の区では十分高かった.根の成長は逆浸透膜で膜に沿った部分に集中しており,全体に貧弱であったが,他の区では十分大きかった. 以上のことから,逆浸透膜は水ストレスによって生育が阻害される欠点がある除塩効果が大きいこと,イオン交換樹脂は除塩能力に限界があるが生育が良好であることが分かった.両方法の欠点を解決するための方法として別の方法について部品の配置や素材,気象条件との関係を検討した.
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