2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム・ポストゲノムリソースを利用したトマトの二次代謝産物トランスポーターの解析
Project/Area Number |
18658010
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
白武 勝裕 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (90303586)
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Keywords | 園芸学 / 植物 / バイオテクノロジー / ABC輸送 / 二次代謝産物 / ポストゲノム / トマト / 病害抵抗性 |
Research Abstract |
植物において二次代謝産物の分泌・蓄積やホルモンの輸送に関わるABC輸送体に着目し,トマトのポストゲノムリソースを利用することにより,園芸作物におけるABC輸送体の機能を明らかにすることを目標とした. 1, トマトABC輸送体遺伝子のクローニングと生化学的性質の解析 かずさDNA研究所のESTリソースから得た10種のABC輸送体cDNAクローンのうち,3種は完全長であったが,7種は5'または3'領域が欠けており,このうちの2種の完全長cDNAをRT-PCRまたはRACE法によりクローニングした.完全長の得られた5種のABC輸送体の器官別およびストレス処理時における遺伝子発現を,リアルタイムPCR法により調べた.その結果,アントシアンなどの二次代謝産物の輸送に関わることが予想されるSlMRP1の発現が成熟果実で顕著に高いこと,テルペノイドなどの二次代謝産物の輸送を担うことが予想されるSlPDR1の発現は果実の成長期間を通して比較的高いこと,また,オーキシンを輸送することが予想されるSlMDR1が着果直後の果実で顕著に高いことが明らかとなった.一方,ワックスの輸送に関わることが予想されるSlWBC1およびSlWBC2の発現はどの器官でも比較的恒常的であった. 2,ABC輸送体の形質転換体の作出 果実の成長期間を通して比較的発現が高かく,テルペノイドなどの二次代謝産物の輸送を担うことが予想されるSlPDR1の発現を,RNAiにより抑制した形質転換トマトを作出したところ,葉の表面に多量の分泌物が確認された.現在,その二次代謝産物の組成を野生型と比較し,SlPDR1の輸送基質の推定を進めている.
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Research Products
(6 results)