2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18658011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田尾 龍太郎 Kyoto University, 農学研究科, 准教授 (10211997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 久代 京都大学, 農学研究科, 助教 (80335306)
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Keywords | 成木相 / 幼木相 / 木本植物 / FT遺伝子 / 花成 |
Research Abstract |
木本植物である果樹類には開花結実の全く見られない幼木相とよばれる期間が存在する.この幼木相は長いものでは10年以上にわたり,果樹類の育種や遺伝解析を行う際の障壁となっている.本研究は,近年シロイヌナズナの研究から明らかにされた花成関連遺伝子であるFT遺伝子を利用することで,汎用性のある果樹類の生殖形質早期評価システムを開発するために立案された.研究2年目の本年度は,以下の点について検討した. (1)早咲き誘導性台木の作出:昨年度の実験で構築したサクラ属のFT相同遺伝子とGFP遺伝子,そして選抜用のカナマイシン耐性遺伝子をT-DNA上に配置したバイナリーベクターを用いて,カキとウメの形質転換実験を行った.カキでは形質転換実験に失敗したが,ウメにおいていくつかの形質転換系統を得ることに成功した.これらの系統自体の早咲きは現在みられていないが,接ぎ木した穂木の開花性については今後調査を継続する. (2)クラウンゴールを利用したFT発現と早咲き性の誘導:昨年度にサクラ属のFT相同遺伝子を発現させるためのベクターを導入した野生株のアグロバクテリウムをセイヨウナシの培養シュートに感染させたところ,1個体で開花がみられた.セイヨウナシの培養シュートはまれに試験管内で開花するため,この開花誘導はFT相同遺伝子の作用によるものか不明確である.そこで本年度は,供試個体数を増やして昨年度の反復実験を行った.本年度もクラウンゴールを形成した個体で早期開花が見られたものの,対照区でも開花がみられ,FT相同遺伝子の効果についてはさらに検証する必要があると考えられた. (3)アグロバクテリウムを用いたFTの一過性発現による早期開花の誘導:アグロバクテリウムのインフィルトレーションによるFT相同遺伝子の一過性発現による早期開花をカキとウメの実生で検討したが,早期開花はみられなかった.
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Research Products
(2 results)