2007 Fiscal Year Annual Research Report
病害制御のための樹体表面及び組織内部の病原性・非病原性微生物相の一括診断法の開発
Project/Area Number |
18658016
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐野 輝男 Hirosaki University, 農学生命科学部, 教授 (30142699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 忠義 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (20271794)
藤田 隆 弘前大学, 農学生命科学部, 助教 (90003524)
田中 和明 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (60431433)
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Keywords | りんご / 慣行防除 / 無農薬栽培 / 微生物群 / 一括診断 / 遺伝子診断 / マクロアレイ |
Research Abstract |
(1)リンゴ樹に表生・内生する微生物群の収集、同定、遺伝子分離と保存 弘前市岩木地区の有機栽培園リンゴ園とその近隣の減農薬栽培りんご園の2園地において、5月上旬から10月上旬まで、定期的に5回にわたり、花弁或は葉を採集した。初年度と同様に、葉表面を洗浄除菌後、洗浄した葉及び洗浄液(遠心濃縮)を暗黒・20℃で培養し、細菌と真菌を分離した。培養性状と菌叢、菌糸と胞子の顕微鏡観察から種を同定した。形態から種の同定が困難なものは、菌体からDNAを抽出し、真菌の場合はリボソームDNA-ITS領域、細菌は16Sリボソーム遺伝子(rDNA)の塩基配列を決定して、属或は種の同定を試みた。その結果、初年度のものと合わせて、真菌165株26属、細菌90株21属を分離・同定した。慣行農薬防除区からは真菌14属、細菌11属が分離され、特にAureobasidium、Cladosporium属がより高頻度で分離された。無農薬区からは真菌21属、細菌17属が分離され、特にEpicoccum属がより高頻度で分離された。細菌は慣行農薬防除区、無農薬区共にBacillus属が高頻度で分離された。 (2)リンゴ病原菌類遺伝子(rDNA-ITS領域)の分離と保存、及びマクロアレイの試作 分離した様々な微生物の中から、真菌(病原菌10属・非病原菌14属)と細菌(病原菌2属・非病原菌12属)を選び、それぞれの特徴ある遺伝子配列の一部から得たクローン化断片をナイロンメンブレンに貼り付け、リンゴ微生物診断用マクロアレイを試作した。 (3)リンゴウイルス・ウイロイド遺伝子の分離と保存 輪状さび果病罹樹及び奇形果病罹病樹から分離したリンゴクロロティックリーフスポットウイルスの全塩基配列を決定し、塩基配列の多様性に関する情報を収集した。同様に、リンゴ及びホップから分離されるApple fruit crinkle viroidの多数の変異株の塩基配列を分析し、その塩基配列多様性に関する情報を収集した。
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Research Products
(5 results)