2007 Fiscal Year Annual Research Report
微生物機能の高度化によるランチビオティック工学の創製
Project/Area Number |
18658034
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
園元 謙二 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授 (10154717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 二郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (40217930)
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Keywords | ランチビオティック / nukacin ISK-1 / ABCトランスポーター / ペプチダーゼ / リーダーペプチド / 異常アミノ酸 / 異常アミノ酸形成酵素 / ATP |
Research Abstract |
Staphylococcus warneri ISK-1が生産するランチビオティック、nukacin ISK-1の生合成に関与するABCトランスポーターNukT(リーダーペプチダーゼ・菌体外輸送タンパク質)のペプチダーゼ機能解析を試みた。NukTは異種発現し、その反転膜小胞を粗酵素液として用いた。基質には、NukA(プレペプチド)とNukM(異常アミノ酸形成酵素)を大腸菌内で共発現して得られる修飾His-NukA(リーダーペプチドと異常アミノ酸をもつペプチド)を用いた。ATP存在下で、修飾His-NukAのリーダーペプチドの切断及び成熟nukacin ISK-1の生産が確認された。また、異常アミノ酸を含まないHis-NukAに対してペプチダーゼを示さなかったことより、NukTは基質中の異常アミノ酸を認識することが示唆された。さらに、ATPのアナログ体であるATP-γ-Sによりペプチダーゼ活性が阻害されたことから、ATPの加水分解がNukTのペプチダーゼ活性に影響することが示唆された。 NukTの構造は、N末端よりペプチダーゼドメイン、膜貫通ドメイン、ATP結合ドメインから構成されることが推測されている。そこで、N末端領域を単独で発現、精製し、in vitroで機能解析を行った。その結果、NukTのN末端領域が、リーダーペプチドのプロセッシングに関与する領域であることを明らかとなった。また、補因子としてカルシウムイオンを要求することが明らかとなった。
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