2007 Fiscal Year Annual Research Report
水素などの燃料ガスを発生する未発見微生物の高効率単離法の開発
Project/Area Number |
18658035
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上田 岳彦 Kagoshima University, 工学部, 准教授 (80293893)
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Keywords | マイクロ培養容器 / ガス産生微生物 / 燃料ガス / 微生物の単離 |
Research Abstract |
平成19年度は、様々な環境(湖沼や湿地の堆積土、温泉や高塩濃度土壌などの極限環境)から採取した試料からのガス産生微生物の単離・同定および産生ガスの同定に成功した。マイクロ培養容器は溶融したシラス微粒子を減圧して膨張させることにより調整されている。つまりその素材がガラスの一種であるため、高温条件や極端な酸性・アルカリ性条件下でもスクリーニング用容器として使用できるというメリットがある。シリコン樹脂の耐熱・耐薬品性も同様に優れているため、本研究で用いるスクリーニング法は、温泉や高塩濃度環境、高酸性・高アルカリ性環境などの極限環境微生物に対しても使用できた。九州南部のうち特に火山性の山岳または島嶼地域(屋久島・口永良部島休火山等300箇所)から得られた土壌や湖沼水などの試料(約1000サンプル)を元にガス産生微生物の単離を試み、約100種類の未同定微生物株を得た。その同定をrRNA配列解析から、また産生ガスの同定を酸化還元剤によるマイクロ培養容器の浮力の変化から行った。すなわち、浮上したマイクロ培養容器を分離してから酸化剤を含む緩衝液や弱塩基性の緩衝液により短時間処理して浮力を失うマイクロ培養容器を選別することにより、産生ガスの主成分が還元性ガス(水素など)や酸性ガス(炭酸ガスなど)であるものを選別することに成功した。浮力による単離法の手順についても改善を施し、非ガス産生微生物による汚染を排除した単離法を確立し、うち十数種の微生物のrRNAをPCR法により増幅・分離することに成功し、それらの塩基配列解析を進めている。
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