2008 Fiscal Year Annual Research Report
リパーゼ・スーパーインデューサー作用機構の解明と有用蛋白質大量生産システムの構築
Project/Area Number |
18658037
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
石塚 盛雄 Chuo University, 理工学部, 教授 (50168241)
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Keywords | リパーゼ超誘導機構 / リパーゼ / 高級アルコール / 二成分制御システム / 脂質の資化 / 発現制御 / 界面活タンパク質超誘導 / 長鎖炭化水素の資化 |
Research Abstract |
1.一連のリパーゼ・スーパー・インデューサー群のうち、高級アルコールの作用機構に関しては、翻訳後の活性レベルと膜の透過性への寄与は少ないため、リパーゼ遺伝子発現レベルでのシグナル伝達機構が示唆された。センサーキナーゼとレスポンスレギュレーターからなる二成分制御システム(BT. Nixon, et al. PNAS, 83,7850-7854,1986)は、べん毛回転方向の制御や転写調節等に重要な役割を演じているが、最近、リパーゼ発現レベルでも二成分制御システムが働くとの報告が出された(J. Krzeslak, et al. Appl. Environ. Microbiol.74,1402-1411,2008)。Nixonらの系では約3倍程度で、我々のスーパーインデューサーシステムの数十倍よりも劣っていたため、更に詳細な検討を加える為、このシステムの大腸菌等への移築を試みている。 2.リパーゼ・スーパーインデューサーの添加よって菌体外に大量分泌される15kDa蛋白質(昨年度、長鎖炭化水素や脂質を乳化する界面活性タンパク質であることが判明)は、更なる機能解析とアミノ酸配列データの相同性解析から、久塚らが発見したプロテインアクティベーター(K. Hisatsuka, et al. Agr ic. Biol. Chem. 41,445-450,1977)と示唆された。最近,細菌のトリグリセリド、脂肪酸、n-アルカン等の細胞外脂質の資化システムにおいても、二成分制御システムが機能して環境変化に適応していることが判明しつつある。 3.高級アルコールの添加よって、トリグリセリド資化システムと長鎖炭化水素資化システムの双方が極端に活性化される(共通の代謝産物である脂肪酸は活性化にほとんど寄与しない)ことは、バクテリアの環境適応システム解明の格好の材料を得たと思われる。リパーゼと界面活性タンパク質の共分泌および誘導機構のさらに詳細な解明により、有用蛋白質の大量分泌システム確立等への応用が期待できる。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] D-Amino acid dehydrogenase from Helicobacter pylori NCTC 11637
Author(s)
Tanigawa, M., Shinohara, T., Saito, M., Nishimura, K., Hasegawa, Y., Wakabayashi, S., Ishizuka, M., Nagata, Y.
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Journal Title
Peer Reviewed
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