2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18658046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 義人 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90222067)
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Keywords | 可視化 / 植物 / ディスプレイ / 植物ホルモン |
Research Abstract |
本研究は外来性の2種のタンパク質のジベレリン(GA,植物ホルモンの一種)依存的な会合を利用して,生きた植物におけるジベレリンの可視化を通して,その局在性を明らかにする技術の開発を目的としている。昨年度までに抗活性型ジベレリン抗体とGA4依存的に結合する12アミノ酸からなる2種のペプチドを特定した。本年度は,この結合に関する詳細な解析を行い,応用研究の妥当性を検討した。 活性型ジベレリンを認識する2種の抗体を所有しているが,得られたペプチドの結合がスクリーニングに用いた8/E9抗体に特異的か否かを検討した結果,8/E9抗体にはGA4依存的に結合するが,他方の抗体(21/D13)には結合しないことが判明したことから,ペプチドは少なくとも一部,抗体の部分構造と相互作用していることが判明した。 次に,8/E9にGA4と同様に認識されるGA1および,認識されないGA20を用いて結合をみたところ,GA4によってのみ結合が示された。GA1はGA4に比べ,8/E9には認識されない水酸基を一つ多く持っており,この水酸基が結合を阻害することから,GA4の当該箇所と抗体の部分構造との疎水結合等によって変化する構造,あるいはGA4の当該箇所とペプチドが相互作用しているものと思われた。 以上のペプチドの持つ特性から,8/E9抗体とペプチドを利用すれば,サンドイッチELISAに類似のGA4特異的な検出法が確立すると考えられ,検討した結果,約30pgの検出感度でGA4が特異的に検出できることが判明した。 さらに,親和性や結合のGA4依存性を高める事を期待して,2種のペプチドの内,1種について各アミノ酸をアラニンに置換したクローンを作成したところ,1つのアミノ酸を除いて全てのアミノ酸が結合に必須であることが示された。 現在,PCAあるいは新たに考案した植物における2分子結合の検出系の開発を進めている。
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Research Products
(1 results)