2006 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズタンパク質の生産を調節する小胞体品質管理機構に関する研究
Project/Area Number |
18658055
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
裏出 令子 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90167289)
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Keywords | 小胞体 / 小胞体ストレス / 品質管理機構 / folding / 分子シャペロン / protein disulfide isomerase / BiP / calreticulin |
Research Abstract |
小胞体ストレスに応答する遺伝子(UPR遺伝子)を網羅的にピックアップするために、ツニカマイシン処理したダイズ子葉からmRNAを抽出し、これをターゲットとしてDNAマイクロアレイ解析を行った。コントロールに比してシグナルが4倍以上高くなった遺伝子断片(約480種)につき、シロイヌナズナの遺伝子データベース上でホモロジーサーチを行い注釈付けを行った。その結果、小胞体でのprotein folding関連タンパク質、糖鎖修飾関連酵素、異常タンパク質分解関連タンパク質などの遺伝子が同定された。UPR遺伝子のうち、foldingを促進するBiP, calreticulin, calnexin, protein disulfide isomerase family(10種類)をクローニングし、大腸菌発現用ベクターを構築した。このうち、BiP, calreticulin及び7種類のprotein disulfide isomerseの発現に成功した。これらのリコンビナントタンパク質をウサギあるいはモルモットに免役にして抗血清を作製した。またリコンビナントタンパク質を用いて、protein disulfide isomerase familyのうち5種類に酸化的folding活性を、全種にシャペロン活性があることを示した。抗血清を用いて、ダイズの全組織でこれらのタンパク質が発現していることを示し、登熟過程にあるダイズ種子の子葉においては貯蔵タンパク質の発現中にもこれらのタンパク質が発現していることを明らかにした。また、貯蔵タンパク質を欠失した品種のダイズにおいても同様に発現することを明らかにした。さらに、細胞内局在性をショ糖密度勾配遠心法によるオルガネラ分画により検討し、いづれも小胞体内腔に局在化していることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)