2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規なインスリン分泌不全2型糖尿病モデルマウスの開発と、抗糖尿病因子探索へのその応用
Project/Area Number |
18658059
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀尾 文彦 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20165591)
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Keywords | 2型糖尿病 / インスリン分泌不全 / 2型糖尿病モデルマウス / 疾患遺伝子 / 近交系統 |
Research Abstract |
1. HNDマウスの近交化の完了(系統確立)と、その糖尿病の成因の解析 本研究で確立を目指していたHND(Horio-Niki Diabetic)マウスについて、耐糖能異常を示す雌雄個体を選抜して兄妹交配を続行してF20世代に達し、このマウスを近交系統として確立した。 HNDマウスの雄は非肥満で、12週齢で80%の個体が耐糖能異常を呈する。HNDマウスはグルコース刺激に対するインスリン分泌に障害があり、この分泌不全は膵臓ランゲルハンス氏島(ラ氏島)β細胞上のα2-adrenergic receptor(α2AR)を介したアドレナリン作用の亢進に起因することが明らかとなった。 2.α2ARの膵ラ氏島でのmRNAレベル及びタンパク量と、α2AR遺伝子の翻訳領域塩基配列のHNDマウスとC57BL/6J(B6)マウス間での比較 膵ラ氏島上のα2ARのmRNA発現量とそのタンパク量は、対照系統のC56BL/6Jマウスのレベルに比べて高いことが示された。この高レベルであることが、HNDマウスのグルコース応答性インスリン分泌の不全に寄与していることが推定された。 α2AR遺伝子の翻訳領域塩基配列を解析した結果、HNDマウスとC57BL/6Jマウスとの間でアミノ酸置換を伴う塩基配列の違いは観察されなかった。よって、両マウス間でα2ARのアミノ酸配列に違いはないことが推定された。
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