2006 Fiscal Year Annual Research Report
開放系二酸化炭素増加処理をした落葉広葉樹の被食防衛物質の局在性の解明
Project/Area Number |
18658060
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小池 孝良 北海道大学, 大学院農学研究院, 教授 (10270919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺沢 実 北海道大学, 大学院農学研究院, 教授 (50003124)
秋元 信一 北海道大学, 大学院農学研究院, 助教授 (30175161)
笹 賀一郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70125318)
高木 健太郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助手 (20322844)
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Keywords | 温暖化 / 窒素沈着 / 光合成 / ブナ / ミズナラ / フェノール / 組織化学 / 局在 |
Research Abstract |
開放系大気CO_2増加(FACE)実験によってCO_2付加処理を行っている落葉広葉樹の葉の食害抵抗性を組織化学的に把握する。すなわち、葉のどの部位に被食防衛物質であるフェノールやタンニンが局在するかを明らかにし、実際の食害パターンとの対比から樹林地保全の基礎データを得る。また、それが高CO_2処理によってどの程度変化するかを解明する。得られた組織化学的データに基づき、これまで人工気象室環境下で得られた食害抵抗性のデータを自然条件に当てはめ、樹種ごとの食害回避能力を、植物-昆虫間の生物相互作用の視点から予測する。既設のFACEと対照において食害観察を行う(樹種:ケヤマハンノキ、シラカンバ、ウダイカンバ、ヤチダモ、ミズナラ、ハルニレ、シナノキ、ハリキリ、ブナ、イタヤカエデ)。この際、デジタルカメラによってデータを保存し、食害パターンを類型化する。可能な限り虫害を引き起こす虫の同定・分類を行う。この際、葉温の上昇と食葉者(虫類)の集合が、どのような微気象条件と関係するのかを解析する。一方、落葉広葉樹の場合、貧栄養環境では一般に被食防衛能力が高いことから、既存の土壌分析装置によって土壌環境と葉温上昇による養分移動の評価を行った。この場合、時間的制約から、ブナとミズナラについて検討を行った。ブナでは、光環境によって被食防衛物質の局在パターンが異なっていた。すなわち陽葉では葉の柵状組織周辺に物質が貯まっており、陰葉では表皮細胞付近に貯まっていた。ミズナラでは富栄養条件の材料で被食防衛物質量が多い傾向があった。今後、材料を増やして検討したい。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Photosynthesis, leaf longevity and defense characteristics in trees of Betulaceae planted in Northern Japan2006
Author(s)
Koike, T., Matsuki, S., Choi, D.S., Matsumoto, T., Watanabe, Y., Maruyama, Y.
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Journal Title
Eurasian Journal of Forest Research 9
Pages: 69-78
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