2006 Fiscal Year Annual Research Report
共優性多型マーカー「複合マイクロサテライトアンカーマーカー」作製法の確立
Project/Area Number |
18658063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
練 春蘭 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (40376695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝月 岱造 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (10107170)
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Keywords | マイクロサテライトマーカー / 複合SSRアンカーマーカー / 作製法 / 共優性多型マーカー / 複合SSRプライマー / 育種学 / 分子生態学 / 集団遺伝学 |
Research Abstract |
本年度は、他種類のプライマーを用いて、複合SSRアンカーマーカー作製条件の検討を行った。 1)各種複合マイクロサテライト(SSR)プライマーの検討 カクレミノのライブラリーを鋳型にして、合計9種類の複合SSRプライマー、(TC)6(AC)5,(AC)6(AG)5,(AC)6(TC)5,(AG)6(AC)5,(AC)6(TA)4,(AC)6(AT)4,(CT)6(GT)4,(GT)6(GA)4,(AG)6(TG)4の有効性を検討した。それぞれの複合SSRプライマーとアダプタープライマーでPCR増幅を行ったところ、すべてのプライマーペアからPCR産物が増幅された。PCR産物をシーケンシングして配列を確認したところ、生物種によって頻度の違いはあったが、一端にアダプター配列、もう一端に複合SSR配列を持つ断片が多数得られた。 2)作製法の汎用性の検討 多数の生物種に普遍的に適用できる方法として確立するため、以下の20種の生物について方法を検討した。 木本:カクレミノ、タブ、5種のマングローブ樹木(メヒルギ、Acanthus ilicifolius,ヒルギモドキ、ヒルギダマシ、ツノヤブコウジ)、イチョウ、イヌガシ、トドマツ、エゾマツ、オリーブ 草本:ナンキョクコメススキ、ナンキョクミドリナデシコ、スズラン、Amorphophallus paeoniifolius 動物:スルメイカ、オオミズナギドリ プランクトン:Cochlodinium polykrikoides 菌類:キツネタケ 20種のうち、木本のイチョウ、エゾマツとイヌガシ、草本のA.paeoniifoliusと菌類のキツネタケを除き、他の15種から共優性で多型性の高い複合SSRアンカーマーカーが得られた。このことから、考案した作製法を用いて、極めて簡便に様々な生物種から共優性のマーカーが作製できることを明らかになった。複合SSRアンカーマーカーが得られなかった5種のうち、キツネタケからは、一端にアダプター配列、もう一端に複合SSR配列をもつ断片が得られなかった。エゾマツ、イヌガシおよびA.paeoniifoliusでは、設定した複合SSRアンカーマーカーで増幅したPCR産物はすべてマルチバンドを示した。また、イチョウでは、設定した複合SSRアンカーマーカーのすべてで、PCR増幅が起こらなかった。今後、これらの問題点を改善するため、検討する予定である。
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Research Products
(7 results)