2006 Fiscal Year Annual Research Report
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18658072
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
鈴木 養樹 独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 室長 (90353739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 和香子 独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, 主任研究員 (00343806)
吉村 剛 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (40230809)
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Keywords | シロアリ / 大顎 / 圧縮試験 / 咬合力測定 |
Research Abstract |
シロアリは、木材だけでなく浴槽タイルやコンクリートまで齧ることのできる強靭な大顎を有している。本研究では、これらの材料に対するシロアリの加害を防止する手段として、大顎自体の材質・力学的特性とシロアリ口器の運動と噛む強さとの関係を解明することを目的としている。今年度は、シロアリおよび他昆虫について 1.大顎の材料強度測定 2.咬合力測定を行った。 1.大顎の材料強度に関しては、エポキシ樹脂固定した大顎を、改良した小型の材料試験器を用いて圧縮試験を行い、強度特性を検証した。その結果、オオコクヌストの大顎はイエシロアリの大顎に比べ約2倍の強度をもつことを明らかにした。また、大顎の圧縮過程で端歯および縁歯ごとに破壊が生じるまで荷重-ひずみ関係は直線性を保つ傾向を示した。各種昆虫の大顎の面積を求め、最大荷重を比較した結果、アメリカカンザイシロアリは比面積の割に最大荷重は大きく、イエシロアリの2倍を示した。2.咬合力に関しては、金属製のハサミ型冶具を作製し、空気を封入した血管拡張用のカテーテルのバルーンに咬ませ、その治具の変形伝達力の検出を行うことにより測定した。大型種であるネバダオオシロアリなどを中心にハサミの先端部を挟む力の計測を試みると同時に、その画像を録画した。咬合力は、ネバダオオシロアリの擬職蟻では0.007kPaであるのに比べ、マツノマダラカミキリでは0.112kPaと20倍の大きさを示すことを明らかにした。
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