2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18658075
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
都木 靖彰 北海道大学, 大学院水産科学研究院, 教授 (10212002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦 和寛 北海道大学, 大学院水産科学研究院, 助手 (90360940)
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Keywords | 水産学 / 生理学 / ホルモン / 細胞・組織 / タンパク質 |
Research Abstract |
我が国の水産業において、水産無脊椎動物は重要な増養殖対象動物としての位置を占めており、種苗生産・放流や養殖が盛んに行われている種も多い。近年、日本沿岸域における水産生物資源、特に無脊椎動物の資源量は減少傾向にあることから、今後は優良品種の育種や高度で効率的な増養殖技術の開発が必要になると考えられるが、水産無脊椎動物においてそのような試みは著しく立ち遅れている。その大きな理由として、水産無脊椎動物の成長や成熟を制御する内分泌系に関する基礎的知見が極めて少ないといえる。比較的研究されているウニでも、糖質・脂質・タンパク質の代謝を制御する内的因子(ホルモンなど)の存在の有無や、それらの作用機序について正確に把握されていないのが現状である。本研究は、ウニをモデル生物として選定し、無脊椎動物の内分泌機構の解明に着手するものである。 今年度は、エゾパフンウニ消化器官にのいて、インスリン抗体を用いて免疫組織化学的解析を行った。その結果、消化器官上皮細胞に免疫陽性反応は認められなかったが、体腔細胞に免疫陽性反応が認められた。このことから、ウニにおいて体腔細胞がインスリンを合成し分泌している可能性が示された。しかし、これまで体腔細胞が合成しているという報告事例は無い。今後、多種の抗体を用いた免疫組織化学的解析を行う。
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