2006 Fiscal Year Annual Research Report
テラヘルツ電磁波分光による農産物の品質情報の検出と非破壊品質評価への利用
Project/Area Number |
18658097
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
志賀 徹 宇都宮大学, 農学部, 教授 (30089932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 高弘 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (50221990)
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Keywords | 非破壊計測 / バイオセンシング / テラヘルツ電磁波 / 品質評価 / 葉菜類 |
Research Abstract |
本研究は、生産から流通、消費に至る生鮮農産物・食品の品質評価の新しい可能性としてテラヘルツ電磁波に注目し、農産物・食品に対する基本的特性を明らかにするものである。 テラヘルツ電磁波とは、その周波数が10分の12乗ヘルツ(1THz=1012Hz)の周波数帯、特に0.1〜10THzの領域にある。ここ2、3年で実際的な利用が検討され始めたばかりである。本研究はテラヘルツ周波数域の電磁波(テラヘルツ電磁波)の農産物・食品への透過、吸収スペクトルを求め、テラヘルツ電磁波の農産物・食品の分光特性を明らかにすることを目的とする。特にテラヘルツ周波数領域は分子の振動現象と緩和現象が混在する領域にあるため、農産物の内部成分と密接に関係すると考えられ、内部栄養成分(ビタミン類など)とテラヘルツ電磁波分光スペクトルとの関係を定量化し、品質評価への可能性を明らかにする。今年度は当研究室で栽培、調製したホウレンソウ、コマツナの生のままの葉を用い、光学的特性測定の基礎となる葉面の分布特性を求めた。 1.化学的分析によりホウレンソウの葉位別、1葉中の部位別のアスコルビン酸含量、硝酸態窒素含量を求めた。アスコルビン酸含量は葉位により変化し、第4、5葉の葉脈を外した中心部が1株全体の平均を表すことが分かった。硝酸態窒素は株間、葉位別に変動が大きく、化学的分析による限界が示された。 2.葉菜類のような薄くて変形の大きな供試体に対する分光測定法を確立した。透過光及びその反射を処理し、ホウレンソウの近赤外分光特性を求めた 3.次年度、内部成分としてのクロロフィル量、アスコルビン酸、硝酸態窒素含量と近赤外分光法及びテラヘルツ分光法との相関を求め、葉菜類中のどの成分が検出可能かを明らかにする。
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