2006 Fiscal Year Annual Research Report
騒音環境下におけるウエアラブルアシスト機器の基礎的研究
Project/Area Number |
18658098
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
近藤 直 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (20183353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 和則 エスアイ精工株式会社, 技術開発部, 課長代理 (20374150)
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Keywords | 騒音 / 農業施設 / 雑音低減 / 仮想空聞 / 無線LAN |
Research Abstract |
屋内外の多くの農作業においては,作業者は農業機械,農業施設等と何らかの形で関わり,それらから発生される騒音に常にさらされていることより,作業者の健康を守り,危険から回避するための対策が望まれている。本研究は,大騒音が発生される中でも,特に作業者同士のコミュニケーションが必要とされる農業施設を対象とし,作業者の健康及び安全確保のため,騒音低減・音声認識用ウエアラブルアシスト機器の開発を目的として行った。 まず,雑音低減を行うため,騒音レベルの高い農業施設等においてレコーダにその緊音を録音し,実験室内で再生した。実験装置としては,作業帽の上から着脱可能なマイク付きヘッドフォン,作業者の声を拾うマイク1,外界の騒音をモニタするマイク2,ヘッドフォン内のマイク3、ヘッドフォンスピーカ等から構成した。作業者の声はマイク1から騒音と共に入力されることにより,スペクトルサブトラクション処理を施し,音声のみを抽出した。これにより,ほぼ予想通りの雑音低減が達成された。 その結果に基づき,実際にカンキツの共同選果施設において,仮想低雑音空間を構築した。この雑音低減はSpeakerが携帯しているPCで行い,その音声信号を,ListenerのPCへ無線LANにより送信した。一方,TVカメラを接続した画像処理用PCでは,作業者の位置を計測し,その相対的位置関係から音声信号の減衰率を求めてListenerのPCに送り,ListenerのPCに送られてきた音声信号と減衰率を用いてステレオ音声を作った.これにより,各作業者のヘッドホンには,他の作業者の音声をその位置と方向に対応して低い騒音レベルで聞くことが可能となった.実験はListenerを中央に固定し,その周りをSpeakerが「あー」と発声することにより行った。
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