2006 Fiscal Year Annual Research Report
腸管上皮細胞株を用いたM細胞分化特異的サブトラクション・ライブラリーの構築
Project/Area Number |
18658104
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
麻生 久 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (50241625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 康一 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (80261494)
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Keywords | マウス腸管上皮細胞株 / MIE細胞 / M細胞分化誘導 / 腸管リンパ球 / パイエル板リンパ球 / 抗CD3抗体 / 抗CD28抗体 / T細胞活性化 |
Research Abstract |
ヒト若年発症型ヤコブ病は、食肉を介したウシ異常プリオン蛋白のヒトへの伝播であることがほぼ確実となり、その感染は、消化管M細胞が異常プリオン蛋白を取り込むことにより始まると予想されている。本研究は、M細胞の機能解明およびM細胞分化特異遺伝子の同定を目的とし、ウシおよびマウス腸管上皮細胞のM細胞分化誘導系を用いて、M細胞分化特異的に発現する遺伝子のサブトラクション・ライブラリーの構築を行い、M細胞分化関連遺伝子プロファイルを作成し、M細胞分化特異遺伝子Q単離を試みるものである。今年度は、樹立したマウス腸管上皮細胞株(MIE)を用いて、腸管リンパ球あるいはパイエル板リンパ球によるM細胞分化誘導系を比較し、M細胞分化に特異性が高いmRNAの安定した抽出方法の確立を試みた。 MIE細胞は腸管リンパ球と共培養することにより、数多くのビーズを細胞内に取り込み、基底側へ輸送する能力を獲得することが確認された。走査電子顕微鏡で共培養したMIE細胞の表面微細構造を観察したところ、微絨毛構造が消失し、細胞膜の表面は抗原取り込みに適した構造を呈することが判明した。このM細胞分化は、共培養8時間目から確認され、16時間で最高値に達する極めて速い誘導であった。次に、MIE細胞とパイエル板リンパ球との共培養を試みたが、M細胞への分化は誘導することができなかった。一方、このパウエル板リンパ球は抗CD3/CD28抗体で処理してT細胞の活性化を促すことにより、MIE細胞のM細胞分化を誘導することが可能となることを発見した。また、このM細胞分化誘導は共培養64時間目から確認され、160時間後まで持続的に増強されることが判明し、M細胞分化に特異性が高いmRNAの安定した抽出が可能となった。
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Research Products
(7 results)