2006 Fiscal Year Annual Research Report
胎仔発達における20α-水酸化ステロイド脱水素酵素の生物学的意議に関する研究
Project/Area Number |
18658113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 真杉 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
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Keywords | 発生・分化 / 妊娠 / プロゲステロン / 20α-水酸化ステロイド脱水素酵素 |
Research Abstract |
ラットやマウスなどの齧歯類では、排卵後に形成された黄体がプロゲステロン分泌能を獲得するにあたり、プロゲステロンを20α-ジヒドロプロゲステロンへと代謝する酵素である20α-水酸化ステロイド脱水素酵素(20α-HSD)の発現の低下が大きく貢献している。一方、20α-HSDは齧歯類のみならず多くの哺乳類において、卵巣以外にも胎盤や妊娠期の子宮、さらには胎仔の一部の組織でも発現が見られるが、その生理的役割については明らかにされていない。我々は20α-HSD遺伝子欠損マウスを作出し、産仔数の有意な減少が見られることを見いだした。本研究は、本遺伝子欠損マウスにおいて産仔数が減少する機構を解明することにより、子宮や胎盤で発現している20α-HSDの新たな機能を実証することを目的としている。本年度には、まず産仔数の減少が母体側(子宮)での20α-HSD欠損によるものなのか、胎仔側(胎仔皮膚、胎盤栄養膜細胞)での20α-HSD欠損によるものなのかを知る目的で、20α-HSD遺伝子をヘテロに欠損したマウス間で交配を行い、産仔のゲノタイプを解析することにより、ゲノタイプ毎の産仔数にどのような変化が生じるかについて調べた。その結果、野生型の産仔は期待値と差はないが、ヘテロおよびホモの産仔数が有意に減少することが明らかとなり、少なくとも胎仔側の20α-HSDが胎仔の生存に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。さらに、このような胎仔の減少は、妊娠13日目以降に起こっていることが明らかとなった。今後は、受精卵移植などの手法を用いることにより、胎仔の生存における20α-HSDの意義をさらに解明していく予定である。
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Research Products
(1 results)