2006 Fiscal Year Annual Research Report
高病原性インフルエンザを制御する新規抗ウイルス薬の検索
Project/Area Number |
18658121
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀本 泰介 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (00222282)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五藤 秀男 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50323639)
|
Keywords | インフルンザ / プロテアーゼ |
Research Abstract |
本研究では、特に人に対する高病原性インフルエンザウイルスの増殖に必須であるHA蛋白質を開裂活性化する新規プロテアーゼの同定を行い、その活性を抑制するプロテアーゼ阻害薬を新規の抗インフルエンザ薬として探索することを最終目的とする。まず、本年度は、その探索に必要な実験系の確立を目標とした。高病原性インフルエンザウイルスは一般P2実験室で扱うことができないため、人に病原性のない実験室株あるいはワクチン株をベースとしたモデルウイルス実験系を確立する必要がある。そこで、NA分節のみスペイン風邪ウイルス由来、その他全ての分節は弱毒実験室継代PR8(H1N1)株由来のウイルスをリバースジェネティクス法により人工合成し、この弱毒ウイルスがモデルウイルスとして応用できるかを検討した。作製した組換えウイルスのトリプシン非存在下でのブラック形成能を評価したところ、トリプシン存在下に比べブラック数は減少したものの、ブラックを形成することがわかった。つまり、この組換えウイルスは、一般の人インフルエンザウイルスとは異なった性状を示すことより、高病原性スペイン風邪ウイルスの性質を模倣していることが示唆された。つまり、NA蛋白質が規定する新しいHA蛋白質の開裂活性化機構の存在が示唆された。今後は、この現象がスペイン風邪ウイルス固有の性質であるのかどうかを検討すると共に、HA開裂性を抑制するプロテアーゼ検索のためのモデルとして応用可能かどうかを検討する予定である。
|
Research Products
(4 results)