2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18658128
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
堀 達也 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (80277665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 敏彦 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (40060529)
河上 栄一 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (80139352)
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Keywords | 犬 / 凍結胚 / 胚移植 / 卵管潅流法 / 子宮潅流法 / 卵管摘出法 |
Research Abstract |
現在までに犬の凍結胚の成功例はみられず、その技術の確立が望まれている。 そこで、牛またはマウスで成功している凍結胚の作成方法を参考にして、凍結胚を作成した。ただ卵巣から回収した卵子の凍結保存を最終目的とするが、そのコントロールとしてまず、体内から回収した胚の凍結保存法の確立を目的として行った。 一般に犬の胚の回収は、子宮潅流法および卵管摘出法によって行われる。両者を比較すると卵管摘出法が確実であり高率に胚を回収することができるが、卵管を摘出することによってその犬を繰り返し実験に使用できなくなる。そのため、繰り返し行えるような卵管および子宮潅流法を検討した。その結果、卵管および子宮に留置針を入れ、それを太い留置針で下行性に潅流し回収することで、胚の回収を行うことを試みた。しかし、その回収率は卵管摘出法に比較して低く、また、卵管および子宮にダメージを与えてしまうことが明らかとなった。 体内発育胚の凍結保存法の検討において、まずを適期に交配を行ったビーグル犬の排卵後7〜11日に、卵管摘出法または子宮潅流法によって胚(2cell-blastocyst)を回収し、その胚を牛胚の凍結保存方法に準じて行った。すなわち、凍結用培地として10〜20%牛胎子血清を添加したリン酸緩衝液または20%犬血清加リンゲル液を使用し、凍結保護物質としてグリセリンまたはDMSOを用いて1段階または3段階希釈方法で、凍結胚作成装置であるET-1を用いた緩慢冷却法で凍結保存を行った。また、融解後の評価として、雌犬にそれぞれ胚移植を行い受胎の有無によって評価した。その結果、胚移植を行った犬では受胎は認められなかった。一部の胚を、Eoechst33342およびpropidium iodideで蛍光染色したところ、融解後の胚の細胞が死んでいることが確認された。 以上のことから、犬の凍結保存法には更なる改良が必要であることが明らかとなった。
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