2007 Fiscal Year Annual Research Report
放射免疫治療薬剤への利用を目指した部分的アミノ化セルロース・セロオリゴ糖の調製
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18658133
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
川田 俊成 Kyoto Prefectural University, 農学研究科, 准教授 (40214655)
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Keywords | 放射免疫治療 / β-1,4-グルカン / セルロース / キチン / グリコシル化 / イミデート法 / キトオリゴ糖 / セロオリゴ糖 |
Research Abstract |
同じ位置の水酸基に対して規則的に1残基おきに特定の置換基を導入せしめて「表・裏」を区別出来るβ-1,4-グルカン鎖の調製を達成するため、重合法による多糖合成に成功した。前年度に合成法を確立できた繰り返し単位セロビオース誘導体(2位フタルイミド基、2'位O-ベンジル基)から、脱アセチル化(4'位)と脱t-ブチルジメチルシリル化(1位)の後トリクロロアセトイミド化を行い、4'-OH基遊離、1-トリクロロアセトイミド基を導入した糖受容体兼供与体を導いた。この際、反応条件(過剰な試薬量、あるいは長過ぎる反応時間)によっては、1,4'-ジイミデート誘導体が生成するので、反応条件の最適化を行った。これを単独原料としてイミデート法による重合反応を試みた(回収率81%)。重合生成物をゲルパーミエーションクロマトグラフィーおよびTOF型質量分析計により重合度を測定した結果、数平均重合度4.5、分子量分散(Mw/Mn)1.96、最高重合度は14糖であった。13C-NMRによる分析結果より、重合様式は主にβ-1,4結合であることが確認できたが、なお、未同定のシグナルがありβ-特異的な重合反応であるか否かについて結論を出すにはさらに検討を要する。 本研究で開発した新規多糖材料は、放射免疫治療薬の放射性元素を担持するキレート部基材として用いることが目的であるが、ガン細胞を特異的に認識するモノクローナル抗体に対する放射性元素の担持可能個数と重合度は比例関係にある。本法により、一挙に高重合体の調整が可能となったため、本研究の主目的はほぼ達成された。 さらに、今回開発した重合法は、本来配糖体の合成法として認知されているイミデート法を重合反応に適用した最初の合成例であり、新規重合法としての意義も大きい。
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Research Products
(1 results)