2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリフェノールの媒介する新しい情報伝達機構の解明と細胞機能
Project/Area Number |
18658136
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
長岡 利 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教授 (50202221)
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Keywords | ポリフェノール / レスベラトロール / アポリポタンパク質A-I / コレステロール / エストロゲン / エストロゲン受容体 / 植物エストロゲン / HepG2 |
Research Abstract |
抗動脈硬化因子のアポリポタンパク質A-I(apoA-I)レベルは、エストロゲンなどのホルモンにより変動することが知られ、植物エストロゲンでも同様な活性が期待される。これまで長岡らは、ヒト肝ガン由来株化細胞であるHepG2細胞における、ゲニステインによるヒトapoA-I遺伝子の転写活性化機構について報告してきた。本研究では植物エストロゲンによるヒトapoA-I遺伝子転写活性化機構を、さらに詳細に解明することを目的とし、特に、レスベラトロールに注目して検討した。 検討の結果、次の事実を明らかにした。HepG2細胞において、apoA-I分泌、apoA-I mRNAレベルは、レスベラトロール添加により対照と比較して、有意に上昇した。レスベラトロール添加により誘導されたapoA-I遺伝子転写活性化は、apoA-I遺伝子プロモーターの-264〜-191領域欠失により失われた。レスベラトロールにおいては、half ERE site欠失によりapoA-I遺伝子転写活性化は失われた。ゲルシフト分析により、レスベラトロールの存在下で、ERαはSiteAに結合することが明らかにされ、その結合はhalf ERE site変異により失われた。 これらの結果から、レスベラトロールによるapoA-I遺伝子転写活性化には、apoA-I遺伝子プロモーターの-264〜-191領域が関与することが示唆された。さらに、レスベラトロールにおいてはERαがSiteAにあるhalf ERE siteに結合し、apoA-I遺伝子転写活性化が起こることを初めて発見した。
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Research Products
(2 results)