2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18658137
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福澤 秀哉 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (30183924)
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Keywords | 無機炭素輸送体 / 亜鉛結合ドメイン / 二酸化炭素 / センサー / MYB転写因子 / 環境順化 / CO2 / 光合成 |
Research Abstract |
無機炭素輸送体の制御に関わる制御因子CCM1の構造を明らかにした。 CCM1タンパク質は、推定分子量が70kDaであるにも関わらず、抗体を用いたウェンスタンブロット解析で100kDaの分子量を与えることから、生合成の過程で修飾を受けると考えられた。また、細胞内で複合体を形成している事を明らかにした。可能性が高いので、細胞からCCM1タンパク質複合体を抗体を利用して単離精製し、 CCM1は亜鉛結合ドメインをもつことが推定されるので、その部位に亜鉛が実際に結合しているのかどうかを明らかにするために、大腸菌で融合タンパク質を発現させ、種々の部位特異的変異を導入した変異型CCM1を作製し、亜鉛の結合状態を調べた。分子内には亜鉛結合部位が2ヶ所存在すること、その配位するアミノ酸残基を複数明らかにした。さらに、変異を導入することで二酸化炭素センシングに重要な部位を推定した。CCM1タンパク質の発現がない場合にはMYB転写因子LCR1が発現せず、その結果、3つの遺伝子Cah1,Lci1,Lci6の発現が低CO2条件で発現しなくなることから、制御因子CCM1は転写因子の上位で機能する事が明らかになった。 新たに単離したCO2応答性の異常となった変異株を2株単離した。これらの変異は一遺伝子の変異に依ることが四分子解析の結果から明らかになった。今後は、その変異原因遺伝子を単離同定したい。さらに、この遺伝子産物が、既知のCCM1タンパク質と相互作用をする可能性もあるので、細胞内での複合体の形成の可能性、細胞内局在性を生化学的に明らかにし、二酸化炭素センシングの実体を解明したい。
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