2007 Fiscal Year Annual Research Report
チタン及び各種金属微粒子を用いるリン酸化タンパク質及び核酸解析システムの開発
Project/Area Number |
18659011
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中村 洋 Tokyo University of Science, 薬学部, 教授 (60092285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 明 東京理科大学, 薬学部, 助教 (60138980)
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Keywords | チタン / DNA / ケモアフィニティー / 選択的濃縮 / 蛍光染色 / 1本鎖DNA / ハイブリダイゼーション / 1塩基多型 |
Research Abstract |
【目的】我々は、リン酸化合物に対するケモアフィニティー担体として、金属チタンが有用であることを見出している。本研究ではチタンによるDNAの選択分離濃縮について検討した。 【実験】10μg/mlDNA溶液800μ1にチタン微粒子40mgを加え、混合後遠心分離した。チタン層を水洗後、塩基溶液800μ1を加えてDNAを脱着し、上清中のDNAを蛍光定量した。 【結果・考察】(1)蛍光染色試薬の選択:チタンにより抽出して得られたDNAを定量するための蛍光染色試薬について検討した。SYBR Gold、SYBR Green I、PicoGreenについて比べた結果、SYBR Goldは1本鎖及び2本鎖DNAのいずれに対してもほぼ類似の応答性を示し、最も適切であることがわかった。(2)DNA抽出条件の検討:仔牛胸腺DNA、仔牛胸腺1本鎖DNA及びλDNAを試料とした予備実験の結果、これらは酸性条件下でチタンに吸着し、塩基性条件下で脱着することがわかった。詳細に検討した結果、吸着時にはpHを1付近の酸性条件とすることが適切であり、吸着したDNAはpH10-11のホウ酸塩緩衝液により脱着できた(回収率約70-90%)。一方、本条件下ではタンパク質、特にリン酸化タンパク質の吸着も予想されたため、β-カゼインを用いてその吸着性を調べた。0.1Mトリフルオロ酢酸や塩酸などの酸溶液中では約30%程度の回収率が認められたが、リン酸やホスフィン酸中ではその吸着が抑制され、特に後者を用いるとβ-カゼインの回収率は10%程度に低下した。 【結論】以上の特性により、チタンによるDNAの選択的抽出が可能と考えられる。また、チタンに吸着したDNAは中性付近ではほとんど脱着しないことから、プローブDNAを吸着したチタン微粒子上でのハイブリダイゼーションが可能と考えられ、1塩基多型解析等への応用が期待できる。
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Research Products
(2 results)