2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子の細胞毒性に関する研究:均一分散系を用いた粒子径依存性の評価
Project/Area Number |
18659034
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
上野 明道 奥羽大学, 薬学部, 教授 (80136267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押尾 茂 奥羽大学, 薬学部, 教授 (20192528)
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Keywords | ナノバイオ / 細胞・組織 / 発生・分化 / 発現制御 / 環境 / 毒性 / 金ナノ粒子 |
Research Abstract |
1.細胞毒性と粒子サイズの関係…平均粒子径が、2,10,20,50,80nmの市販金コロイドを使用し、分化可能な接着細胞であるマウス頭蓋冠由来前骨芽細胞MC3T3-E1と浮遊細胞であるヒト慢性骨髄性白血病細胞K562へ0.1mg/mlまでの各濃度で曝露した。2,10nmサイズの金ナノ粒子の3日間の曝露では、Alamar Blueで検出できるミトコンドリア還元性と細胞形態において毒性が認められた。その際、培養上清の526nmでの吸光度を測定すると低下が認められたことから、細胞内への取り込みが示唆された。さらに、取り込み部位の同定を透過型電子顕微鏡で行う予定である。一方、20〜80nmサイズの金ナノ粒子では、7日間の曝露で初めて毒性が認められた。いずれの場合でも、光学顕微鏡レベルで観察される粒子の凝集が認められ、粒子径に依存した生体応答かどうか疑問が残る。今後、種々の還元・安定化剤を用いて還元・分散化し、GPCカラムで様々なサイズに分離精製する必要がある。 2.細胞分化に及ぼす影響…MC3T3-E1細胞のデキサメサゾン、アスコルビン酸、β・グリセロリン酸で誘導される骨芽細胞への分化に及ぼす影響については、骨様ノジュールの定量で抑制効果を認めたが、上記の一般的な細胞機能への影響の結果である可能性もある。細胞外マトリックス中で凝集した金ナノ粒子も認められ、今回はマトリックス初期石灰化でのナノスペース理論を検証できなかった。
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