2006 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ管網形成と静脈網形成を請け負う脈管芽細胞のイメージングと細胞特性の解析
Project/Area Number |
18659054
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
人見 次郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00218728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯貝 純夫 岩手医科大学, 医学部, 講師 (60212966)
木村 英二 岩手医科大学, 医学部, 助手 (50405750)
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Keywords | リンパ管 / 血管 / 幹細胞 / 発生・分化 / 転写因子 / ゼブラフィッシュ / 二光子顕微鏡 / イメージング |
Research Abstract |
申請者らは、二光子顕微鏡で血管内皮細胞特異的に蛍光蛋白EGFPを発現するトラスジェニック・ゼブラフィッシュTg(fli1;EGFP)y1のタイムラプス・イメージングによりリンパ管の発生過程を捉えることに成功し、以下のことを明らかにした。 リンパ管発生に関わる細胞は後主静脈(PCV)を起源とする脈管芽細胞で、本来は節問静脈(ISV)になりうる細胞群である。後主静脈から伸び出た内皮細胞は節間静脈(二次節間血管)を形成すべく、先に背側大動脈(DA)から伸びた節間動脈(一次節間血管)に接触し連絡する。この後、二次節間血管と連絡した節間動脈は節間静脈に変貌する。ところが、一部の二次節間血管の内皮細胞の動脈との連絡を果たすことなく、体壁の水平筋間中隔に留まり、やがてこの細胞群の一部が胸管系のリンパ管を形成する(受精後2日-4日)。またこの細胞群の他の細胞は体壁の筋節の循環で主要な位置を占める傍索血管の形成、さらには肋間静脈の形成に関わる(受精後4日-7日)。 後主静脈から別れ、一旦筋間中隔に留まるこれらの内皮細胞を、申請者らは、その分化能の特殊性と広い領域への伸長から能力から、「pioneer cell」と呼んでいるが、この細胞が胸管系のリンパ管網を形成する際に、prox1、VEGF-Cの遺伝子発現が関与していることを、それぞれのmorphorinoを用いたノックダウン実験により明らかにした(Nature Med 12,711-716,2006)。 現在、静脈系内皮細胞のリンパ管系内皮細胞へのtrans-differentiationの時期とその分布領域を明確化する目的で、prox1-FRPトランスジェニック・ゼブラフィッシュを作製中である。
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