2006 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞増殖におけるクロライドイオン要求性の分子メカニズム
Project/Area Number |
18659056
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
丸中 良典 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (00127036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新里 直美 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (00237645)
宮崎 裕明 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (30360027)
中島 謙一 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (40398392)
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Keywords | 胃ガン細胞 / クロライドイオン / 細胞増殖 / CDK2 |
Research Abstract |
・胃ガン細胞由来の細胞株であるMKN28細胞・MKN45細胞を用いて、細胞増殖に対するNa^+/K^+/2Cl^-共輸送体活性とその阻害剤の影響および細胞外クロライドイオン濃度の影響を調べることにより、胃ガン細胞増殖制御の新たなる展開を目指して研究を進めた。 ・培養液中のクロライドイオン濃度を低下させることにより、MKN28・MKN45ともに増殖速度の低下を示した。 ・細胞内へのCl^-取り込みを担っているNa^+/K^+/2Cl^-共輸送体が、分化度の高い癌細胞株(MKN28細胞)に比べ、分化度の低い未分化な癌細胞株(MKN45細胞)において、より高発現していることを明らかにした。 ・分化度の高い癌細胞株(MKN28細胞)に比べ、分化度の低い未分化な癌細胞株(MKN45細胞)において、Na^+/K^+/2Cl^-共輸送体阻害剤であるフロセミド(ループ利尿剤の一種)が細胞増殖を低下させることを明らかにした。 ・CDK2活性が、MKN28細胞に比べ、MKN45細胞において、より大きいことを明らかにした。 ・上記のこの関係が、クロライドイオン濃度依存的であることを検証する。 ・CDK2活性を制御しているp21発現を調節することを通じて、クロライドドイオンがCDK2活性に影響を与えているかを検証し、この効果がMKN28細胞に比べ、MKN45細胞において、より高いことを明らかにした。 ・p21活性を制御しているp53発現・活性のクロライドイオン依存性を調べたところ、p53発現・活性はクロライドイオンには依存しないことが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)