2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659058
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 生理学研究所, 細胞器官研究系, 教授 (10025661)
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Keywords | 癌 / 抗癌剤耐性 / アポトーシス / アニオンチャネル |
Research Abstract |
1.シスプラチン誘導性癌細胞アポトーシスにおけるVSORアニオンチネルの役割の解明 ヒト類上皮癌KB細胞はシスプラチンに対する耐性を示さずに、24時間以上の処理によってアポトーシスによって死滅していくことが知られている。この細胞死が、まず通常のアポトーシスと同様に、まず初期において容積感受性外向整流性(VSOR)アニオンチャネルの活性化を示し、その結果としてアポトーシス性容積減少(AVD)がもたらされ、更にそのあとにアポトーシス死へと到ることを明らかにした。また、カスパーゼ活性化やDNA断片化などのアポトーシス性生化学反応や細胞死そのものがVSORCrチャネルブロッカーの投与によって阻止されることを明らかにした。これらの実験結果によって、KB癌細胞へのシスプラチンの抗癌作用が、アポトーシス誘導によること、そしてそれがVSOR Cl^-チャネル活性化とそれによるAVDの誘導を介してもたらされることが明らかとなった。 2.シスプラチン耐性におけるVSORアニオンチネル活性欠失の役割の解明のための予備実験 KB細胞のシスプラチン耐性を獲得した本研究の亜種KB-CP4細胞にパッチクランプ法を適用し、低浸透圧刺激下において細胞腫脹がもたらされた場合でもVSOR Cl^-チャネルの活性化がもたらされないことを確認した。即ち、VSOR Cl^-チャネル機能の欠失がシスプラチン耐性獲得の原因となっている可能性が示された。
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Research Products
(2 results)