2006 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質結晶構造解析に基づく新たな心不全治療薬デザインのための基礎研究
Project/Area Number |
18659068
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
乾 誠 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70223237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 佳弘 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90301308)
今田 勝巳 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教授 (40346143)
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Keywords | 心筋小胞体 / カルシウム輸送調節 / ホスホランバン / 蛋白質精製 / 蛋白質結晶 / 2次元結晶 / 3次元結晶 |
Research Abstract |
心臓収縮力の調節では、心筋細胞内Ca^<2+>の貯蔵部位である筋小胞体(SR)を介するCa^<2+>輸送が主要な役割を果たす。心筋SRのCa^<2+>輸送は、Ca^<2+>ポンプATPaseとその調節蛋白質ホスホランバンによる蛋白質間相互作用によりもたらされ、調節されている。さらに、心不全などの病的状態においても心筋SRのCa^<2+>輸送異常が深く関与していることが明らかになっている。本研究では、ホスホランバンを標的とし、ホスホランバンとCa^<2+>ポンプATPaseの相互作用を阻害する新たな心不全治療薬を直接にデザインするための基礎検討を行うことを目的として、ホスホランバンの大量精製を行い蛋白質結晶作成のためのスクリーニングを行った。ホスホランバンの精製では、まず大腸菌からの精製を行った。質量分析計による解析から、発現段階でN末端の切断が起こっていることが判明した。そこで、N末端の修飾が行われる昆虫細胞でバキュロウイルスを用いて発現させ、大量精製することに成功した。これを用いて結晶化条件を検討する。ホスホランバンの細胞質ドメインでは、PDZドメインとMyc、6xHisを加えた融合蛋白質を作成した。これをNi-NTAカラムで精製することにより、大量の大量の融合蛋白質を得ることが出来た。これを用いて結晶化条件の検討を行った結果、未だサイズは小さいが結晶を作る条件を見出した。さらに、条件の最適化を行い高分解能の構造解析可能な結晶の作成を行う予定である。
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