2006 Fiscal Year Annual Research Report
RNAiレトロウィルスを用いた遺伝子ノックダウンマウス作製法の開発
Project/Area Number |
18659074
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 智 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (50271896)
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Keywords | レトロウイルスベクター / RNAi / トランスジェニクマウス / 遺伝子ノックダウン |
Research Abstract |
(1)受精卵に対する高効率遺伝子導入法の確立のためのベクターの選定 受精卵に対する導入効率は、ウイルスベクターの特性により大きく異なることが予想されるので、モロニーウイルスベクターベースのGCDsapやHIV由来のpSUPERおよび理化学研究所の三好博士が開発したベクターCII-CMV-MCSを用いて、どのベクターが受精卵に対する遺伝子導入効率が高いかを明らかにした。その結果、GCDsapはES細胞に対する遺伝子導入効率は非常に高く、ES細胞からキメラマウスを作製、germlineを通過したものでも、非常に安定した発現が持続されることが明らかとなった。ウイルスベクターによる遺伝子導入では、遺伝子が導入された場合でも、メチル化により遺伝子発現が抑制されることが知られており、GCDsapはこの点で非常に優れたベクターであることが実証された(研究発表)。受精卵に対する遺伝子導入においても大変期待されたが、受精卵に対する導入効率は非常に低いことが明らかとなった。一方CII-CMV-MCSについては、受精卵に対して遺伝子を導入できることが明らかとなった。 (2)受精卵に対するウイルスベクター導入方法の選定 これまでの数少ない報告では、透明帯をタイロード液で除去した後にウイルス液に浸潤させ感染させる方法と、透明帯と受精卵の間の卵黄周囲腔にパッケージングしたウイルスを注入する方法が報告されているが、卵黄周囲腔にパッケージングしたウイルスを注入した方が効率が高いとの報告がある。そこで本申請では上記の研究で一番導入効率が良いと考えられたベクターについて、2つの導入方法について検討した。導入するレトロウイルスには、全身性に発現するプロモーターにGFPを結合したものを用い、遺伝子発現をGFPでモニターした。その結果、卵黄周囲腔にパッケージングしたウイルスを注入した方が、その後の操作が容易であり、有望であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)