2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテクノロジーを用いた薬剤投与システムの開発による消化器癌の新しい治療戦略
Project/Area Number |
18659080
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
土田 邦博 Fujita Health University, 総合医科学研究所, 教授 (30281091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 達也 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (90410737)
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Keywords | ナノメディシン / ドラッグデリバリー / 抗がん剤 / 担がんマウス / 光線力学療法 / がん転移 |
Research Abstract |
膵臓がん治療で経口フルオロピリミジン製剤とインターフェロンの相乗効果をマウス実験で示した。また、NK細胞を除去したSCIDマウスの多臓器がん転移モデルを用いた研究から、フォリスタチン過剰発現細胞は、転移巣を有意に縮小させることを示した。 カーボンナノチューブと構造が類似したカーボンナノホーン(CNH)は、直径約100nmのナノ粒子である。CNHに抗がん剤のドキソルビシンを貯蔵させ徐放させる基盤技術の開発に取り組んだ。水溶性高分子ポリエチレングリコール(PEG)と抗がん剤ドキソルビシン(DXR)の複合体PEG-DXRで表面修飾することにより、水溶性ナノ粒子(PEG-DXR-CNH)に改変できることを示した。ヒト非小細胞肺癌細胞株NCI-H460のヌードマウス皮下移植モデルで、PEG-DXRあるいはPEG-DXR-CNHを腫瘍内投与し、後者の抗腫瘍効果は前者と同等以上であった。評価終了後の腫瘍内残存ドキソルビシン量を定量したところ、PEG-DXR-CNH投与群では約60%も残存しており、ドキソルビシンの高い腫瘍内滞留性によって抗がん効果がもたらされたと考えられる。また、CNHが転移性のリンパ節組織に集積する傾向があることが明らかとなった。リンパ節転移の診断への応用が期待出来ることが分かった。 ナノ粒子の光線力学療法への応用研究に取り組んだ。光照射により活性酸素を産生する化学分子(亜鉛フタロシニン等)をナノ粒子に結合させ、担がんマウスで光照射によるがん組織縮小効果を検討し、極めて良好なデータを得た。
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