2006 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲン受容体の核外作用を介したアセチル化の制御とシグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
18659083
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東 浩太郎 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (30401110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩之入 温 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (00401109)
浦野 友彦 東京大学, 医学部附属病院, 客員助手 (20334386)
井上 聡 東京大学, 医学部附属病院, 客員教授 (40251251)
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Keywords | エストロゲン / 乳癌 / アセチル化 / 核内受容体 / 脱アセチル化酵素 |
Research Abstract |
エストロゲン受容体は、従来研究されてきたリガンド依存性の転写因子としての作用に加え、細胞質においてもリガンド依存性に即時型のシグナル伝達系の変化をもたらすnongenomic actionが近年提唱されている。本研究は、エストロゲン受容体が細胞膜近傍において細胞骨格蛋白であるtubulinおよびその脱アセチル化酵素であるHDAC6と複合体を形成することにより、リガンド依存性にtubulinのアセチル化を制御し、細胞の性質を変化させているのではないかという仮説を検証することを目的としている。本年度は、エストロゲン受容体とHDAC6との結合を安定して解析するために、核移行シグナルを欠損し、なおかつ細胞膜移行シグナルを付加した変異蛋白を作成し、細胞膜に全長のエストロゲン受容体を発現させることに成功した。この変異蛋白を用いることにより、従来に比してエストロゲン受容体とHDAC6の受容体の結合をより安定して解析することが可能となった。HDAC6のドメイン欠損蛋白をさらに作成することにより、HDAC6のC末寄りのdeacetylaseドメインおよびエストロゲン受容体のAF-2ドメインがそれぞれの結合部位であると同定された。この結合は、エストロゲン刺激時に促進し、さらに乳癌細胞においては核内においてエストロゲンのアンタゴニストとして作用するタモキシフェンによっても促進することを見出した。今後は、この変異蛋白を安定的に発現する乳癌細胞株を用い、乳癌細胞における機能解析を行う予定である。
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Research Products
(4 results)