2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659097
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 祥剛 Kobe University, 医学部, 教授 (50189669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 巧 神戸大学, 医学部, 准教授 (70379402)
鹿股 直樹 川崎医科大学, 講師 (60263373)
矢野 嘉彦 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (60419489)
眞庭 謙昌 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50362778)
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Keywords | 脂肪性肝炎 / NASH / 非B非C肝炎 / 酸化ストレス / cryptogenic cirrhosis / Fox01 / インターフェロン / pegylated interferon |
Research Abstract |
肝癌発生の主な原因は、ウイルス性肝炎によるが、肝炎ウイルスが撲滅された後も、肝癌がなくなるわけではない。アルコール肝障害のみでなく、アルコールを飲まない成人にも肝癌が発生する可能性がある。肝癌を誘発する因子として、肥満や糖尿病と関係する非アルコール脂肪性肝炎が、メタボリック症候群とともに注目を浴びてきた。本研究は、肝炎ウイルス非感染肝癌の発生の分子機序を解明し、その制御を目的としている。3つの研究の柱があり、1.非アルコール脂肪性肝炎モデル動物を作成し、発生の分子機序の解明と薬剤による治療効果の判定を目指している。既に人とほぼ同様の動物モデルをendothelial lipase遺伝子を改変することにより作成し、人と同様のインスリン抵抗性の出現、肝臓での中性脂肪の蓄積などが確認されている。今後、本動物も出るを使用して癌の発生、薬剤介入による病態の制御を目指している(三木章、11回日本肝臓学会大会発表)。2.肝炎ウイルス非感染肝細胞癌のモデル動物としてDEN誘発肝発癌を作成し、前癌病変におけるNotch・1シグナルの活性化と酸化ストレスの蓄積が肝細胞癌の進展に重要であることを明らかにした(Miki A, Int J Oncol)。3.肝炎ウイルス非感染肝細胞癌発生には、脂肪性肝炎や、糖尿病発生と密接に関与し、インスリン抵抗性、酸化ストレスの惹起、食欲などが関係している。これらをひとつにつなぐ転写制御因子として注目したのが、Fox01である。インスリンからのシグナルを伝え、酸化ストレスの惹起にも関わるFox01は、さらに食欲などとも関係している。肝炎ウイルス非感染肝細胞癌発生の中心では、ないが、少なくともある種の肝炎ウイルス非感染肝細胞癌発生に関わっていると考え、その分子機序の解明を進めている(中江淳、19回分子糖尿病学シンポジウム発表;Nakae J, Diabetes)。
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